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Aside
もっとお姉ちゃんって呼べばよかった。


本当はただ、悔しかっただけなんだ。


私がカイをお姉ちゃんって呼ばないのはカイが馬鹿だからじゃない。


どんだけ練習しても私より狙撃がうまい、カイに嫉妬したんだ。


余裕そうに射的をする姿にムカついたんだ。


でも、その姿をカッコイイと思ったし、憧れた。


尊敬してたのに、つい本当のことが言えず、馬鹿だからと言ってしまった。


A「お姉ちゃん!ごめん。

ごめんね。あれは、お姉ちゃんが羨ましかったの。

どんだけ練習しても追いつけなかったからあんなこと言っちゃったの。
お姉ちゃんを馬鹿なんて思ってない!

心から尊敬してるんだ。

今までの分も素直に全部言うから!

まだ、たくさんお姉ちゃんと話したいし、甘えたい。

だから死なないで!おねがい!」


涙がどんどん溢れる。

それがうつったようにお姉ちゃんの目からも涙が溢れる。


カイ「あはは。私も死なないことができるなら死にたくないよ。

でも、多分私は死んじゃう。

………………………生きろ!A。私の分まで、自由に……。

私、今日、この屋敷から出る前に聞いたんだ。
ジジィは4年前に死んだ。ババァも昨年、ジジィを追いかけるようにしんだらしい。

A、お前を縛るものはもう無いんだ!ここにいる、ルフィたちと逃げろ!!

そして、自分の思うがままに生きるんだ。いいな?


…………いてて…、


……もう、私は死ぬみたいだ。あはは。

……………生きろよ………A………」



そう、力無く笑ったカイは目をとじ、もう、動かなくなる。


室内は静かでただ


A「ねぇ!ねぇ、お姉ちゃん。ねぇってば!!起きて!起きてよ!!起きろ!バカ姉貴!!!!」


と、泣き叫びながらカイを揺する、Aの声だけが室内にひびきわたるのだった。

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作者名:ヴォン | 作成日時:2022年8月15日 9時

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