天才は恋に興味をもちました。ver.出会い (ページ23)

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ナミside

Aの泣き顔に固まっていた、カイはハッと意識を戻し、Aの腕を掴もうとするが、スルリとさけられる。

カイ「なぁ、A！待って！なんで？
なんで、一緒に帰れないんだよ！

もしかしてあいつらか？！海軍に脅されてるのか？

私たちなら大丈夫だ！じじぃも私も海軍如きにやられねぇよ！なぁ、A、待ててって！」

どう、カイが言葉をかけてもAは返事をしない。それに痺れを切らしたカイがAを掴み引っ張る。

それに、なんの抵抗もなく引っ張られるAはカイへとそのまま寄りかかる。

そのときに見えたAは酷く顔を歪ませ、泣いていた。

カイは、そんなAを抱き上げ、ここの屋敷から出ようとするが、Aはカイの服をギュッと引っ張り止めようとする。

だが、カイは止まらずに、まっすぐドアへと進む。

Aは泣きながら、

「降ろして！！降ろしてよ！カイ！

私が今、ここから消えたら、せっかくの計画が台無しになるの！ねぇ！お願い……話してよ……」

と叫び、暴れる。

そんなAを私たちは黙って連れていくことしかできず、静かに歩く。

もうすぐ、出口に差し掛かろうとした頃、事件はおきた。

バンッ

と何かを打つ音が部屋中に響く。

それは銃を撃つ音で、その音に伴い、誰かのうめき声が聞こえる。

私は咄嗟に辺りを見渡せば、そこにはAを抱えたまま倒れるカイと下卑た笑いをする男の海軍の姿があった。

すぐさま私たちはカイに駆けつけ、ルフィ、ゾロ、サンジ、ウソップは男からカイを守るように立つ。

Aはカイが撃たれた箇所を手で必死に抑え、泣きながら「止まれ！止まれ！！」と叫ぶ。

私はそんなAに近づき、カイの怪我を見る。

するとカイの打たれた箇所は背中から心臓を1つ撃たれており、そこからは大量の血が出ていた。

私は医学の知識は無いが、直感した。

カイは、もう………

死んでしまう、と。