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カイは事の全てをはなした。
祖父と祖母は死んだことにされ、人質にされていたこと。
祖父は海軍に命令され父母を殺してしまったこと。
そして、このことはつい先日にのぞみに伝えられたこと。
この島を二人で抜け出し祖父と祖母と平和に暮らすつもりだったこと。
話しを終えたカイはルフィに願う。
「銃を1つくれ。」と。
彼女は本気だった。
本気で生きてるかも分からない妹を助ける為に敵の場所へ一人のりこむつもりだった。
これまで黙っていたルフィが、口を開く。
ルフィ「Aが、言ってた。私は私の命よりもお姉ちゃんが大好きなの。だけど、お姉ちゃんはすぐに私のために無茶するから。私が死んだら自分を大事にしてほしい。って。」
カイは琥珀の瞳から大粒の涙を流した。
1つ流せば止まらず、何粒も何粒もでてくる。
それを止めようと歯を食いしばるが一向に止まる様子もなく、ただ、いつもの美しい顔が不細工になるばかりだった。
そんなカイにルフィは続けて言葉を紡ぐ。
ルフィ「俺は、Aの言うとおりだと思う。お前が一人で行ったところでAは助けだせねぇ。」
その言葉にカイの喉がヒュっと鳴った。
ナミ「ちょっと、ルフィ！そんなふうに言わなくてもいいじゃない！」
そう止めるナミの意見ももっともだ。
だが、ルフィはまだ、続ける。
「お前一人でつっこむのはただの犬死にだ。」と。
カイは唇を噛み悔しそうに下を向く。
たしかに、Aが確実に死んでいるのならカイは悔しく思いながらもどうにかして故郷に帰っていた。
だが、Aが生きてる可能性がある以上カイには一人でのりこむ選択肢しかなかった。
カイが、一人下を向き悔しく手を握りしめてる姿をまっすぐ見つめたルフィは、ニヤッと笑い、言った。
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作者名：ヴォン | 作成日時：2022年8月15日 9時
