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今、メリー号の、空気は最悪だ。
そうなったのは数分前、ルフィを含め、外にでた船員たちが帰ってきてからのことだ。
一番はじめに到着したのは以外にもゾロだった。
そんなゾロの服はびちゃびちゃに濡れており、海の中まで潜って探したことが分かる。
ゾロ「こっちにはいなかった。」
そう、一言告げたゾロは「着替えてくる。」と言って自分の部屋に戻った。
次に到着したのはサンジ。
こちらも服が濡れており、カイ一言謝って服を着替えに部屋に帰っていった。
服を着替えた、ゾロ、サンジの二人は情報の共有のために、ナミとカイの居る部屋に来た。
ゾロは、部屋の隅に移動し片膝を立て座り、サンジはキッチンから持ってきた紅茶をナミとカイに渡し、椅子をどこからかもってきて、そこに座った。
そして、いざ、自分のもってる情報を話そうとサンジが口を開いた瞬間、扉が勢いよく開かれた。
扉を開いたのはルフィとウソップで、二人の顔は悔しいような悲しいような、形容しがたい顔をしていた。
今まで帰って来なかったルフィにナミが怒ろうと声を出そうとするがルフィの様子を見て、ナミは口を閉ざした。
ルフィはまっすぐカイのもとへ行き、「お前がAのねぇちゃんか？」と尋ねた。
それにカイがコクリと頷くとルフィは唇を噛んで視線を落とした。
後ろで様子を見るウソップも手を力強く握りしめ、震えているようだった。
そんな二人に何かを感じたカイは焦ったように「Aは？！Aはどこにいるの？！」ときいた。
それにルフィは心を決めたようにまっすぐカイを見つめ、たんたんと「Aは死んだ。」
そう、告げたのである。
Aが死んだ、その一言にカイは、固まり動かなくなる。そんな彼女の言葉を代弁するかのようにナミはルフィに詰め寄り「どういうこと？！」と聞く。
サンジとゾロはその様子を静かに見守り、まるで続きを促すかのようにルフィをみつめた。
その問にウソップが変わりに今までの出来事を説明した。
それに、息を呑み絶望するナミ。
怒りを表すサンジ。
何を考えているのか分からない顔で今もなお、ルフィを見ているゾロ。
固まり動かなくなり続けたままのカイ。
まさにメリー号内の空気は最悪だった。
ルフィ「だが、Aの死体はみてねぇ。」
たんたんと続けられたルフィの一言。
それはカイにとって救いとなった。
カイは静かにルフィを見つめ、彼らに事の全てを言うため口を開くのだった。
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作者名：ヴォン | 作成日時：2022年8月15日 9時
