天才は恋に興味をもちました。ver.出会い (ページ14)

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その頃、メリー号ではナミとカイは意気投合していた。

ナミは久しぶりに話す、女ということもあり、日頃の船員たちの愚痴を話していた。

それにカイは目をキラキラさせて話しを聞き、自分がもしこの船の一員だったらどんなに楽しいかと想像するのだった。

そんな、カイを微笑ましく見ながらナミは笑うのだった。

そんな平和な時間。

ふとナミは彼女が自分以上に大事にする妹のことについて聞いた。

すると、さっきの何倍も目をキラキラさせたカイがよくぞ聞いてくれたとばかりに妹自慢をしだす。

それにナミはこの質問は良くなかったかなと、過去の自分に後悔をしつつ、そんなカイに義理の姉ノジコを重ねていた。

カイ「妹は、Aって言ってな？！すっげえ頭がいいんだ！」

カイ「狙撃の腕も、ちっちゃい頃はすっごく下手だったのに、今じゃ追い越されちゃうんじゃないかってくらいうまくなっててな〜」

カイ「昔、なんで、私の方がお姉ちゃんなのにカイって呼び捨てで呼ぶんだ？って聞いたことあるんだけど、そんときA、なんて言ったと思う？？

馬鹿を姉と思えないし思われたくないから。

だってよ？！あはははは。生意気だろ？？だけど、そんなところもかわいくて」

カイ「Aはほんっとにすげぇんだ！あいつは天才だ。だけど、それだけじゃなくて、努力家なんだ！」

傍から聞くと、クソ生意気なやつだが、それをかわいいと思い、溺愛する姿にナミは顔を緩めた。

ここまでほぼノンブレスに妹について語ってきたカイの声が止まる。

何事だと、カイを見つめれば、カイは静かに笑っていた。まるで聖母のような微笑みにナミは息を飲む。

カイ「ナミ、Aを頼むよ。Aは、寂しがりやなんだ。」

まるで死ぬかのようなカイの言葉にナミは顔を歪める。

ナミ「何言ってるのよ！まるでカイが死ぬみたいじゃない！それに私はわがままなの！生意気な女の面倒なんて絶対にみないわよ！嫌いだもの、生意気なやつは！」

そう、頬を膨らませ顔を背けるナミにカイは「あはははは。」と人笑いして、「悪い、悪い。」
と全く悪気のない声で言った。

カイ「だけどな、ナミ。きっと、ナミはAを好きになるよ。Aは生まれながらの愛され体質だからな。」

そう言いもう一度笑うカイをナミは視界に入れると1つため息をついた。