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ウソップside
あいた口が塞がらないとはまさにこのこと。
こんな奇跡はあるのだろうか。
ルフィ「こいつ、さっきあったぞ？！」
そう言われ、口が大きく開き、目ン玉が飛び出る。
あまりの驚きに固まっていたが、ハッと意識を取り戻すとルフィの肩をつかんだ。
ウソップ「おい！それをなんで早く言わなかった！！そいつ、さっき説明したばっかのカイってやつの妹だぞ？！今どこにいる？！今すぐ追いかけるぞ？！」
ここにくる前に大方サンジに説明されたウソップは彼女たち姉妹の故郷に帰りたいという願いに心打たれていた。
そして、カイに妹をもう一度あわせてあげるためにいつもは出ないほどのスピードをだし、必死に走りながらさがしていた。
だが見つからず、一旦帰ろうとしていたときにルフィにあったのだ。
だがルフィはその妹と面識があり、つい先程まで共に話してたと言う。
ウソップはルフィを引っ張り、彼女の行ったという方角へと走り出した。
走り出して数十分後ルフィとウソップは街の中央地まで来ていた。
だが、入念に辺りを見渡しながら走ったというのに彼女は見つからない。
そこに、海兵の姿をみつけた。
ルフィとウソップは咄嗟に物陰に隠れて彼らが通り過ぎるのをまつ。
「それにしても、あの姉妹はかわいそうだな〜」
「あぁ…。ほんとに不憫な一族だ。話しに聞くと姉の方は波に攫われ、生死不能。妹の方は見つかった海兵に間違って射殺されたというじゃないか。」
「え？！そうなのか？！そりゃ、また、災難だ。
んで、その妹の死体はどうしたんだい？処分に困ってるなら是非貰いうけたいねぇ〜……」
「あはははは。お前、そうとう趣味わりぃな。だが、どうやらその死体はその場で海兵が自分が殺したのを隠すために海に沈めちまったらしいぜ。」
「あはははは。そりゃ、傑作だ。最後まで、不憫な一族だ。あはははは。」
そう、笑う二人の海兵にウソップは怒りを隠せないでいた。
だが、それ以上に怒りを剥き出しにし、睨んでいる麦わらがいる。
ウソップはそれに気づき、飛び出しそうなルフィを必死に抑えた。
もし、ここで自分たちが海兵をぶん殴ったとしても、カイが生存していることの可能性を生み出すだけで、何も利点がない。
そりゃ、今すぐあの海兵をぶん殴りたいウソップもカイの為にと必死に抑え、我慢した。
ウソップは唇を噛み気持ちを抑えた。血が出ていることに気づかないふりをして。
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作者名：ヴォン | 作成日時：2022年8月15日 9時
