天才は恋に興味をもちました。ver.出会い (ページ11)

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自由を諦めた私が一番はじめにしたのは海軍との交渉だった。

「私を使いませんか？

今や祖父は寝こんでいて、病の回復の兆しは見えない。

ならば、未来に乗り換えませんか？

私は将来、祖父を越える女です。

あなた方の命令はなんでも聞きます。

だから、変わりに祖父と姉を開放してください。」

だが、彼らにとってはたかだか10歳の戯言。

この交渉には全く取り合ってくれなかった。

そして私は自分の力を証明することにした。

狙撃の能力。策略をたてる頭脳。

証明すること7年。遂に海軍は私の能力を認め、交渉に成功した。

だが、カイは自分一人が助かることを嫌がるだろう。

そこで、軍を巻き込んでの計画をたてた。

そして、今日がその作戦の実行日。

今のところ順調だが、この眼の前で不敵に笑う麦わらの男のせいで捨てたはずの自由が欲しくなった。

「A、俺の仲間にならないか？」

と聞く彼の声が、顔が、忘れられない。

あのとき、もっと早く、はっきり断らなければならなかったのに、弱く小さな声で言ってしまった。

あぁ、駄目だ。
彼の近くに居れば居るほど彼の船に乗りたくなってしまう。

彼の船に乗りたくなる前に私はこの場所から逃げようと腰をあげたのだった。