YouTuberには愛されるのだ。

___Same as above. ページ25

『ちょ、っと、、いっくん…!!』

「…っごめん」


さすがの俺でも、
こんな状況になって平然としてられる訳もなく

本能で押し倒していたようで、
気づいたら、俺はAの上にいた。

『いっくん、退けて』

初めてって言っていいような
Aの怒り顔。今までに見たことないな。

…でも、元はと言えば
危機感持たずに無意識に男誘惑してるのは
Aの方なんだし、

責任はAにあるって言ってもおかしくない


「危機感全くないAのせいやからな」

『ん、』

何か言おうとしたAの口を塞いで黙らせる
今、主導権を握っているのは俺。

襲おうと思えばできる。
なかったことにだって、、できる…。


俺の中で揺らぐのは

これからの活動と俺の気持ち。


俺が、Aの気持ちも聞かずに
襲ってしまったら、これから一緒にはいられない

でも、今諦めてしまったら
臆病な俺にこの先チャンスがあるのか。


最低で最悪な葛藤だけど、
俺にはとても大事なことで、

「ごめんA俺もう、」

『い、っくん…、、』



やってしまったという後悔と
あぁ、やり遂げたっていう達成感。

いや、後悔の方が何倍も何十倍も何百倍も大きい

あそこで自分を止められたら。
そんなこと思ったりしてみたけどもう遅い。

泣いているAの声を聞けば
さらに押し寄せてくる
後悔と罪悪感の波は、俺を飲み込もうとする。


「ほんまに、ごめん……」

『違う、違うの……、』

行為を済ませてしまった後ではもう遅いのは
今の俺が一番わかってるし、
どうにも出来ないなんて、わかってる。

でも、気持ちを言葉にしなくちゃっていう
そんな、ちっぽけな善意が
俺の中にはまだ少し残っているんだ。


『私、いっくんのこと好きだったのに』


「え…?」

Aが放った言葉には
俺が思っていた言葉は一語もなかった。

嫌いになったとか、最低だって
言われることを覚悟はしていたんだけど

まさか、、告白、されるとは、、


『でも、想いが通じ合ってからがよかった』

泣いたまま笑うAを見たら
痛んでいた心が更に痛くなってきた。

「ごめんな、、」

『ううん、大丈夫…』


しばらく沈黙が続いて
先に声を発したのはAだった。


『やっぱり好きなの』

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