夕闇に誘われし絶世の美女は振り向かない

episode 59 ページ19

「ありがとう、また来るね」

お母さんに手を振って家を出る
お父さんが乗っている車に乗って
空港まで向かう

父「いやぁ、男ばっかりでどんな生活してるのかと思ったけど、いい友達持ったな」

「まぁね、」

珍しく後ろで静かに黙ってる

みんな良い奴だし面白いし
本当に誇れる友達だと思ってる

空港までそんなに遠くないし
イギリスを離れるのはもうすぐだ
イギリスにいた頃の友達とか全然会わなかったし
買い物とかも、少ししかできなかった


空港について車を降りる

父「なんかあったらすぐ連絡くれよ、何もなくてもくれていいからな。あと、みなさん、Aのこと頼みます」

小「お義父さん…!!」

中「大事にしますわ…、」

「やめんしゃい」

父「はは、動画もこれから見てくつもりだからさ、頑張れよ!」

西「ありがとうございます!」

山「お世話になりました!」

「お父さんありがとね」

最後にお父さんとハグをして
荷物を持って飛行機に向かう

千「いい両親だったね」

「ありがとう、嬉しい」

別に直接褒められてるわけじゃなくとも
お父さんとお母さんがいい人だって言われると
自分のことみたいですごく嬉しい


フライト時間までまだ少しあるからってことで
空港で少しだけ待つことに


?「Hey!!」

「…?」

聞き覚えのある男性の声で
振り返ると、私のギターの先生でもある
友人のアーサーがこっちに向かって走ってくる

「Arthur? Why are you here?」
(アーサー? どうしてここにいるの?)

ア「I heard it from your mother.」
(君のお母さんから聞いたんだ)

「I'm glad you came!」
(来てくれて嬉しいわ!)

久しぶりの友達(兼先生)にあって
とてもテンションが上がっている

小「誰それ」

「え? あぁ、ただの友達だよ、友達」

ア「少しだけ、ニホンゴおぼえた」

「アーサー、Very good!」

中「ただの友達ねぇ…」

ア「ボクはAのタメにニホンゴおぼえた」

「本当に?」

ア「ホント」

「I'm very happy!」

ア「I'm also happy.」


アーサーと話をしていたら
いつの間にかフライト時間になっていて
急いで準備をする

「See you again! Let's meet in Japan this time!」
(またね! 次は日本で会いましょう!)

そういって最後のハグをしようとすると
腕をぐっと引っ張られて阻止された

「ちょ、中村待って」

荷物を手に取ると
掴んだ腕をグイグイ引っ張って進む中村

手を振るだけ振ると
笑顔を見せてくれるアーサー

本当に、わけわかんない…、

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