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クロコダイルside
“一発殴らねェと気が済まねェ”
……あの時、そう思ったのは事実だ。
Aが並の海兵より強いのは攻撃に関してだけなのを、俺は知っていた。
Aが他の奴より防御が脆いのも、それを回避の上手さで誤魔化していたのも知っていた。
普段は冷静なくせしてたまにリスクも顧みず突っ走って死に急ぐような真似をする、妙に一途でガキっぽい一面に最初こそ抱いていた苛立ちも、いつの間にか薄れて忘れてしまっていた。
“ごめんなさい”と言われれば、“しょうがねェな”と水に流してしまえるくらい、アイツに甘くなっていた。
＿＿なのに。
『Aちゃんが部屋にいないだと？』
緊急事態を告げる声がして、攻撃を終えたばかりの手がピタ、と動きを止める。
(何故ここでAの名前が出る！？)
何かしらマズいことが起こったのを察し、想定内に勘定したくはなかった事態が頭を掠める。
直後、“探せ”と周囲にいた海兵の内の数人が声を上げながらその場を去っていくのが目に入って、憶測は事実と成り上がってしまった。
望まぬ方向へ移り変わっていく状況に、俺は舌を打った。
何が目的かは知らないが簡単に命を捨てに来るAの行動があまりに愚かしくて。
Aの力を過小評価して甘い警備だけを残して白ひげを迎え撃った海軍があまりに忌々しくて。
何よりも、この場に成ってしまった最悪の事態に対し、腹が立って仕方が無かったのだ。
＿＿戦争からひと月経った今、マリンフォードともアイツとも何の縁もない島にいる。
起こったことは覆しようがないと分かっているが、あの時抱いた怒りは今も確かに胸の中にある。
だがこの怒りを他人にぶつける資格はない。
最終的にあんな結果を招いた原因は、赤犬がAの腹を貫いたその瞬間にアイツのそばへ駆けつけてやれなかった俺にもあるのだから。
「＿＿俺も同じか」
通りの賑やかな声が少し遠くなる薄暗い路地裏から曇天を仰ぎ見る。
吐き出した葉巻の煙がゆらりと空に上がって、雲の白に溶けていく。
「どうされました、ボス」
脇にいたダズに呼びかけられ、そちらへ顔を向ける。
「……何でもねェよ」
そう呟いてすぐに顔を背けた。
相手がダズとはいえ、政府に命を狙われているAのことはあまり他言出来ない。
迂闊に話してAに興味なんか持たれたら、なんて要らぬ心配もしたくはねェし。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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Riran(プロフ) - はじめまして、全部1日で読みました。とても面白かったので続きをお待ちしております☺️ (2022年11月28日 23時) (
レス) @page14 id: 4386bdb6b0 (このIDを非表示/違反報告)
梔子 - りりあさん» 駄作者さんは言い過ぎじゃないですか？ (2022年8月26日 18時) (レス) @page14 id: 2e66f6d817 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 准将イケメンだし性格もドタイプすぎて…海軍海賊これからどうなってくんだろ、続き待ってます (2022年7月24日 22時) (レス) @page14 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
〇 - ボロ泣きでした！まだ続き可能性があるのでしたら楽しみに待ってます！！ (2021年8月25日 14時) (レス) id: b70922fcf0 (このIDを非表示/違反報告)
ｶﾛ賀 - 待ってます！完結させるってお言葉信じてお待ちいたします！頑張ってください！ (2021年6月5日 4時) (レス) id: 77c7a84bb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：福岡 | 作成日時：2018年10月14日 1時
