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半壊した部屋に一人きり。
休憩の号令がかかったのだろう、外壁に組まれた足場に大工の姿はなく、朝から途切れることなく木霊していた工事の音も遠のいた。
執務机の椅子に腰掛けたまま、目は自然と扉に向く。
部屋の至る所に傷が残る中、真新しいそれだけが不気味な異質さを醸し出していた。
戦争が終わって初めてこの部屋に戻った時に見た光景は嫌でも目に焼き付いている。
大小の破片に姿を変え廊下に散らばった扉、掛け布団が半分ずり落ちたベッド。
大穴の空いた壁、割れて破片が床に散乱した窓。
『今日中に片さないとまたセンゴクさんに叱られますよ？』
内装が全て直ろうとも、アイツはここには戻れない。
『先に言っときますけど、私は手伝えませんからね！』
マリンフォードが元通りの姿になろうとも、それは変わらない。
たとえアイツが生きていようとも、愛おしかった日々は思い出へと姿を変えてしまう。
分かってはいた。
自分ではとうに理解したつもりだった。
仕事だって今まで通りこなしているし、周囲にも普段通りの俺で振る舞える。
俺はそれですっかり立ち直れたとばかり思っていた。
だが違った。
思い込んでいただけだった。
覆せないのを知っていて、それでも本当は認めたくなくて。
そのくせ現実から目を背けたいと思っている子供みたいな自分を悟られたくなくて、わざと今まで通りの自分を演じる。
＿＿ただの強がりだ。
健気なんて綺麗なモンじゃない、単なるわがままだ。
「…………っ、」
自分を抑えつけていた我慢が徐々に剥がれ落ちていく。
目が熱くなって視界が歪んで、頬を濡らして落ちる雫が一つ二つ、三つ四つとズボンの膝に丸いシミを増やしていく。
「Aちゃん……っ、」
潮風が吹き込む昼下がりの執務室。
誰に知られることも無く、嗚咽は壁の大穴から覗く真っ青な海へ溶けていく。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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Riran(プロフ) - はじめまして、全部1日で読みました。とても面白かったので続きをお待ちしております☺️ (2022年11月28日 23時) (
レス) @page14 id: 4386bdb6b0 (このIDを非表示/違反報告)
梔子 - りりあさん» 駄作者さんは言い過ぎじゃないですか？ (2022年8月26日 18時) (レス) @page14 id: 2e66f6d817 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 准将イケメンだし性格もドタイプすぎて…海軍海賊これからどうなってくんだろ、続き待ってます (2022年7月24日 22時) (レス) @page14 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
〇 - ボロ泣きでした！まだ続き可能性があるのでしたら楽しみに待ってます！！ (2021年8月25日 14時) (レス) id: b70922fcf0 (このIDを非表示/違反報告)
ｶﾛ賀 - 待ってます！完結させるってお言葉信じてお待ちいたします！頑張ってください！ (2021年6月5日 4時) (レス) id: 77c7a84bb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：福岡 | 作成日時：2018年10月14日 1時
