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ありがとうございますと頭を下げ、立ち上がろうとした私を彼が慌てて引き止める。
「悪い事言わねェからしばらくここで休んどきな。
冗談抜きで死ぬぞあんた」
こちらを見下ろし睨む彼だが、生憎その心配に素直に応えられる程の時間は私に残されていない。
「いえ……息もだいぶ落ち着きましたし、傷ももう痛みませんから」
だが、と何か言いかけた彼を遮って、
「それに……“待ってる”なんて言われたら、助けに行かない訳にはいかないでしょう？」
と微笑んで返す。
存外精神的余裕が無いのが、眉根に寄る皺に表れる。
「たった一人の友達の命を、エースさんの願いをあと一歩の所で諦めるなんてことはしたくありませんから。
……たとえ恩のある人たちを、海軍を、大将を敵に回したとしても」
返す言葉が見つからないのか、口を開かないまま心配そうな目で私を見つめる彼。
しばらく黙っているうちに大きなため息をついて、そうかいと呟いた。
「エースの友達、ねェ。
聞いてる感じじゃ海賊でも海軍でもねェみてェだし、事情は…今は敢えて聞かねェが……」
遠くの方でまた大きな水音と、それに負けない男たちの雄叫びが。
そしてその直後、湾頭からかなり離れたこの場所までもをゴゴゴゴ…と揺らす轟音が続く。
驚いてそちらを振り向く私に、ありゃ海中に控えてた俺たちの船だと道具を鞄に詰め込みながら言う彼の声に活気が増す。
「要は大将に見つかっちゃマズいんだろ？
今なら俺たちの船に気を取られてる、この隙に行け、嬢ちゃん！」
鞄を背負った彼が私の肩を担いで立ち上がらせ、広場の方へそっと背中を押し出す。
「はい…っ！ありがとうございます……！」
せっかく助けてもらったこの命を、近い先に起こる一瞬に擲たねばならなくなることへの罪悪感を胸に、私は広場の方へ足を踏み出す。
「……ほんとに危なかったな嬢ちゃん……
頼むから死なねェでいてくれよ…っ！！」
快活な笑顔で送り出してくれた彼が走る私の背中にそう願ったことも、
次の瞬間後ろを振り返った彼が鉛玉に貫かれる密やかな最期も知らないまま。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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暁 - 准将さぁん...！( ；∀；) (6月25日 10時) (
レス) @page12 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
chiaki3624ykc(プロフ) - このシリーズは何回読んでも泣けます。泣きます。 (2018年6月22日 0時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
福岡(プロフ) - 幽夢さん» リクエストありがとうございます！完成次第part5の方に載せますので、しばらくお待ちくださいませ…！ (2018年6月3日 21時) (レス) id: 21bdf75ba1 (このIDを非表示/違反報告)
幽夢 - 夢主が風邪を引いた会やってください (2018年6月3日 21時) (レス) id: 458d879d4a (このIDを非表示/違反報告)
恋雪様だぞ☆(笑)(プロフ) - 夢主がぁぁぁ！お腹ぁぁ！とゆうかサカズキが手ぇ止めようとするってすごいな！徹底的な正義！ (2018年4月26日 23時) (レス) id: 1ed1a2a23c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：福岡 | 作成日時：2018年2月14日 0時
