【ONEPIECE】普通のJK、海へ飛ぶ【４】

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「疑わしきは滅するのみ……
犯罪因子は残らず摘まねば平和など到底実現不可能だろう？」

まるでサカズキさんみたいなこと言うなこの人。

融通の利かない正義が時には味方も傷付けるってこと知らないんだろうなァ、知ってて言ってんなら軽蔑モンだけど。

「誰かさんみたいなこと言いますね……
徹底的な正義ってやつですか？悪いですけど私は共感しかねますね。

確かに海賊が一般人に与える被害は相当なものかもしれません。


でもあなたが正義の力が及ばない所で一般人の為に戦う海賊がいることを、海賊に救われ今日も平穏を享受している人々がいる事実から目を背けて“海賊(悪)を討て”とまだ言うのなら……



その時は心の底からあなたを軽蔑しますよ」


無論その海賊というのは白ひげ海賊団のことなのだが、正面で聞いていた彼にはいまいち伝わっていないようだった。

まァ伝わってたら小娘が何か言ってらァって鼻で笑ったりムカつく顔しないよね普通。

「何を喋り出すかと思えば……そりゃお前のただの理想論じゃねェか！」

こちらを馬鹿にしたような表情で怒鳴る彼。

「何を守ろうが誰を救おうが海賊は海賊！
英雄なんざなろうと思うことすら烏滸がましい……

一般人が被害を被った時点でそいつらは我々が討ち倒すべき悪と決まっているのだ！！」

そうどこか誇らしげに語る彼は、島と人々を守る為に縄張りを広げた白ひげ海賊団を、
働いた悪事は別としてアラバスタを海賊から守り治安維持に努めていたクロコダイルさんを、こうも簡単に貶していく。

＿＿どこまで見事に私の怒りに火をつけご丁寧に油まで注いでくれるのだろうかこの男は。


撃て！と彼が叫んだのを合図に、ピストル兵が一斉に引き金を引く。

しかし放たれた弾丸は別の海賊の背を撃ち抜いたり、はたまた向かいに立つ味方の頭に命中したりと、どれも私を捉えることは無かった。



部下たちが引き金を引くより早く、彼が撃てと命じるより早く、長銃を構えるその眼前に飛び出していたのだ。


「なっ……」



こちらの世界に来て強化された脚力と猛火の如き怒りで無意識に達していた、“剃”の速度で。

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