【ONEPIECE】普通のJK、海へ飛ぶ【４】

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Aside



准将さんの協力もあってかそんなに時間を要することなく、延々続いた石造りの壁しかない薄暗い本部裏を抜け出すことが出来た。

しばらくぶりの日差しに目を顰め、ようやく辿り着いた小さな達成感がじわりと沸いてくる。


しかし息つく暇もなく、目の前の光景に緊張感を引き戻される。

凍った湾に唯一空いた穴に真っ二つの状態で浮かぶ軍艦、軍艦や凍った海面によじ登る海賊たち……

そして、

「エース〜〜〜！！！
……！！！やっと会えたァ！！！」

ロングリングロングランド以来久しく聞いていなかった、兄の名を叫ぶルフィさんのよく通る声。



助けに来たぞと声を上げる彼の背後に控える、クロコダイルさんとイワンコフさん、そしてジンベエさんとバギーさん。

「クロコダイルさん……ジンベエさん……！！」

よかった。皆無事なんだ。

この面子が揃う原作を知っていても、顔馴染みが無事でいることはやはり素直に嬉しくて、それが表情に表れるのを抑えられない。

彼らの顔を一目見られただけでも私の士気を高め直すには十分効果があったようで、スっと軽くなった胸と足取りで本部の陰から飛び出していく。

ルフィさんたちが来たのなら戦況はもっと苛烈さを増してくるはず。

私の存在を知らない人たちも私の目の前に現れる。

この先私を殺す刃はあっても、守ってくれる盾はもう無い。


だが、もう何者からも隠れる必要なんてない。

向けられた拳を、剣を、銃弾を、全て躱せばいいだけのこと。

攻撃を止めることは出来ないけれど、避けるのが得意中の得意な私には簡単なことじゃないか。

「待っててください、エースさん……！！」

あなたの首が飛ばない内に、必ずあなたの元へ辿り着いてみせますから。


地面を一段と強く蹴り、銃弾と怒号の飛び交う戦場へ飛び込んだ。

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