また、1から。《桃》 (ページ30)

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望side

8.4 夜11時

その『誰か』を追いかけて、追いかけて

俺はそのまま崖から落ちた

『誰か』はもうどこにもいなかった

ﾊﾟｯ

望「はぁはぁ」

？ここは

望「A…？？」

あぁそうだ。

俺はAを庇って頭打ったんだっけ

ってことはここは病院…？

隣に座って俺の手を小さな手で包んでいる

Aは、少しウトウトしている様子だった

手を握り返すと

ﾊｯ

「え、望」

望「A、」

「望、3ヶ月とちょっと目を覚まさなかったんだよ」

「目を覚ましてくれてありがとう」

「不安で、不安でいっぱいだった。

望がいないと生きていけないなって

ほんとに実感したよ」

Aの瞳からは涙が零れて

頬がコケていて目の下にはクマがあった

望「A、ありがとう。ずっと一緒にいてくれたんでしょ??」

「うん…ｽﾞｽﾞ」

あ、ナースコールって押した方がいいのかな

ﾋﾟｯ

少しすると

看「はい」

看「え、望さん！
翔先生、望さんが目を覚まされました！」