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Aside
病室に着くと、いつも通り綺麗な顔で目を閉じている望の姿。
「誕生日おめでとう。
23歳だね、私と出会ってくれてありがとう。
私を助けてくれてありがとう。
私と結婚してくれてありがとう。
ほんとに、ほんとに、感謝してもし尽くせないよ。
ねぇ、望。
目、覚ますよね??
もう1回一緒に笑い合えるよね?
ねぇ、望。」
自分で口にしていながら
望はもう目を覚まさないんじゃないか。
って不安になって
"望さんが目を覚ますのももうすぐでしょう。
先日レントゲン検査を行った結果、脳の異常はあまり見られませんでしたし、手術も成功したので。"
と翔先生が言っていたのも忘れて
不安でいっぱいになった。
「ねぇ、望。」
「望の誕生日に望と過ごせて私は幸せものだね」
作り笑いをして。
精一杯笑って。
それでも涙は止まらなかった.
「これね、望が好きって言ってたアイビーと、私の好きなアスチルベが入った花束だよ」
「綺麗でしょう」
ずっと病室にいるといつもよりも悲しくなって不安になって
「ごめん。望。」
「じゃあね、明日も来るから」
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作者名:怜 | 作成日時:2019年7月6日 7時