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フ「どうしたの、マッシュ君」
マ「いや、あの人が一瞬躊躇してなかったら危なかったなって…それにあの人、呪文を唱えてない」
ガルナはその言葉を聞いて、口を開いた
『あんた最初、アイツの剣を額で受け止めようとしたよね。死んだら元も子もないのに、なんでそこまでして神覚者目指す必要があるの』
ガルナの光一つ写さない真っ黒の瞳がマッシュを捉えて離さない
まるで「話すまで絶対に逃さない」とでも言うようなその視線に、3人は固唾を飲む
その小さな身体から放たれる圧力に、改めてガルナが
マ「家族と平和に暮らす為かな」
予想もしてなかったまさかの回答に、ガルナは目を見開く
”家族と平和に”なんか自分には程遠いものだから、尚更想定出来なかったのだ
『、家族って、そんなに大事なものなの?』
マ「うん。とっても大事だよ。じいちゃんは血の繋がっていない僕を大事に育ててくれたからね」
ガルナは呆気に取られた
家族どころか、血の繋がっていない人間から大事に育てられたと知ったから
マ「ガルナちゃんは、何で神覚者になったの?」
ふと気になったマッシュはそう聞いた
本当に、気になっただけ
『親に認めて貰う為。結局認めて貰えないまま両方事故で死んだけど。大事にして貰えるのって良いね、羨ましい。大事にしなよ』
マ「……ガルナちゃんは、親に大事にしてもらえなかった?」
マッシュは表情を変えずに首を少し傾けて聞いた
『うん。ずっと私に価値ばかり求めてきた。その癖ずっと私に価値は無いって言ってた。死ぬ最後まで本当に嫌な人間だったよ。でもその癖私も価値を求めてるから、何とも言えないね』
ガルナがそう呟くと、マッシュは「でも、」と口を開いた
マ「でも、ガルナちゃんの価値は誰にも決められないと思うな。だって、人それぞれ価値観や考え方は違うでしょ?」
そう言うマッシュに思わず声にならない声を漏らす
マ「あぁでも、僕が思うガルナちゃんの価値はー……ん…?あれ、価値って、何?人としての価値って何?あれ…?あれ?人間が生まれてきた理由って何?そもそも人間って何?」
確かに、「人間の価値」というものはかなり難しい
その証拠が、一人で頭を爆発させているマッシュである
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アリクイ(プロフ) - 今までで一番好きな幼児化だ…最高でした💗まじありがとうございます 本編も大好きです✨ (3月28日 18時) (レス) @page10 id: b18e3d7574 (このIDを非表示/違反報告)
季節外れの雪だるま(プロフ) - とても面白かったです!更新よろしくお願いします🙏 (3月27日 21時) (レス) id: 12a58ce157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふらんそわ。 | 作成日時:2024年3月26日 18時