【ＷＴ】放課後、またこの屋上で。【sm】

15話 ページ19

.


『ね〜スマイルガチすぎるでしょ···私一勝もしてないんだけど』

「ゲームはガチでやるだろ大体は。ていうか俺に負けるってやばいぞ多分」


俺よりもシャークんとかうまいしな、ゲームだと。

一部のゲームを除いて。


最終下校時間になり、校門に向かって並んで歩きながらそんな話をする。


『でも楽しいんだね、ゲームって。誰かとやるのと一人でやるの、全然違った』


嬉しそうに目を細めながら足元に視線を落とすAの表情に、気が付けば見入っていて、気恥ずかしさを感じる。

Aと同じようにつま先の少し前のあたりに視線をやり、次の話題を待つも、こういう時に限ってAは静かになる。


「......」
『......』


何か話題を考えた方がいいのか···？これは。

なかむとかだったらそんなことも考えずに過ごすけど、こいつとの沈黙はどこか気まずさがある。



結局、何かを考えても口に出すことはなく、お互い何も話さないまま郵便局のあたりまで来た。



『···スマイルここまっすぐ行くでしょ。私こっちだから、ばいばい』



どうやらここで通学路が別れるらしい。


···ていうか、



「なんで知ってんの」



怖いぞおい。



『女の勘』

「嘘つけ」


『割と大マジ。



·····嘘だからそんな目で見ないで傷つく』



『ちゃんと言うからぁ〜······ぇ〜、と、一回見かけたんだってここ使った時にぃ〜』


「ここか？」



秘密にしようと思ってたのに...自分で墓穴掘っちゃった、と口をとがらせて心の底から悔しそうに呟くAが指さした先は郵便局で。






「え、郵便じゃん」



『え、郵便局であった人のこと覚えないの？』



「ない」



『そっか』






ありえそうだけど何気に一番こえーよ。


とは思うけど言うとどうなるのかわかんないから黙っておこう。



·

16話→←14話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す