【BLEACH】異界に舞う桜

40.そんなに気になる！？ ページ41

「おらっ！」

「っ！」


横へ薙いできた刃を前のめりに倒れる形で避け、勢いに任せてそのままガラ空きな腹を斬ろうとするが、防がれてしまった。


「白雷！」

「うわっ！？」


いきなり放たれた鬼道を反射的に避けるが、ワンテンポ遅れたため、頬に新たな傷ができる。


「……まさか鬼道を使えるなんて、思ってなかった」

「何だそれ。確かに他の連中は、鬼道に関しちゃ壊滅的だけどな。俺という例外もいるんだよ」


そう言って不敵に笑う死神の男。



名を、案藤辰矢(あんどうたつや)。十一番隊第四席と名乗った。


うなじ辺りまで伸びている茶髪。前髪だけが赤く、染毛なのか地毛なのかは判らない。左目が、何処ぞの過激派攘夷志士みたいに包帯で覆われているが、鋭く光る右目だけでも充分気迫はある。


そう、この男は私が隊士20人強を倒した後、直ぐに奇襲を掛けてきた奴だ。

本当に危なかった。もう少しでも反応が遅れていたら、あの刃に貫かれていた。恐らく自身の霊圧を鬼道で消して、ギリギリまで近付いたんだろう。


「しっかし、すげーよなお前。俺、霊圧を消してたってのに。寸でとは言え、気付くなんてよ」

「……修行で気付いたんだけど、私って結構霊圧知覚は高い方らしいんだ。まぁ、流石に滅却師並じゃないみたいけどね」

「おま、滅却師って！ 比較対象のレベル判ってんのかよ？」


馬鹿にした様にケタケタと笑う案藤。それが何となくムッときたので、話を続ける。


「といっても、私に修行をつけてくれた人の受け売りなんだよね。これ」

「へぇ、そんな事言う奴がいるんだ。因みに誰だよ？」

「え？ あー……実は色んな人に言われたんだけど……」

「じゃあ、その中から1人だけ教えてくれよ。別に減るもんじゃねえんだから、いいだろ？ 勿体ぶるなよ」


そんなに気になる！？ と思ったけど、案藤の減るもんじゃないという言葉も、あながち否定しない(一護も一角に師(浦原)の名前を出してますしおすし)。観念した私はそっと口を開いた。


「平子真子」

「！！？」


その直後、案藤が大きく目を見開く。

そう。私は浦原の紹介の下、平子をはじめとする仮面の軍勢達に、修行の相手をしてもらっていたのだ。


「……そうか。生きてたのか、あの人……。しかも師か……」


うわ言の様にブツブツと何かを呟く案藤。その直後、さっきまでおちゃらけていた彼の雰囲気が一変し、眼光が更に鋭くなった。

41.攻撃は最大の防御っていう言葉もあるしね。うん。→←39.これってほぼ図星だよね！？

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