【BLEACH】異界に舞う桜

37.んな事してる場合か馬鹿野郎！！ ページ38

遮魂膜にぶつかる直前、霊力をありったけ込めたお陰か、何とか通り抜ける事には一応成功した。だが……


「ど…どうなってんだこりゃ！？ どうにかシールド通り抜けたのはいいけど…何で俺達、地面に落ちてねぇんだ！？」

「離れるなっ！ 今はシールドにぶつかった砲弾が溶けて、一時的に儂等に搦みついてるだけじゃ! 直に渦を巻き破裂して消滅する！ その時に離れておったら衝撃で皆バラバラにとばされる…」

「……っ！」


夜一さんが言い終わる前に、渦が巻き始める。今でさえほぼ精一杯な状態なのに、こんな強力な暴風に似た渦の中だと、少しでも気を抜けば直ぐに飛ばされてしまうのは明白だ。


「…始まったぞ！！」

「う…おおォッ！？ くそがァ！！ 飛ばされてたまるかよッ！！」

「おわーーーッ！？」


岩鷲が飛ばされまいと、一護に向かって泳ぐ様な要領でわさわさと動く。


「避けろテメー！！」

「こっち来んなー！！」

「何してるんだ君達は！？」

「さっきといい、んな事してる場合か馬鹿野郎！！」

「「誰が馬鹿だ！！！」」

「お前らだよ！！！！！！！」


ゴフッ……大声上げすぎてちょっと喉痛い。


「それぞれ近くにおる奴を掴め！！ 絶対に離れるなよ！！」


「くそッ！！」

「何がクソだコラァ！！」


「わぁっ！？」


「桜月さんっ！！」

「う、うん！！」


一護と岩鷲は互いをしっかりと掴み、チャドは織姫を抱える。私は近くにいた、雨竜の腕にしがみついた。


「石田っ！」


雨竜はチャドの手を掴もうとしたが、掴み損ねてしまい、私達は否が応でも渦から離れようとする。


「……ッ、チャド！ 受け取れっ！！」

「え、」

「っらぁ！！！」


短い雄叫びと共に、私は雨竜をチャドに向けて力いっぱい投げる。チャドは飛んできた雨竜をしっかりと受け止めた。


「さ……桜月っ！！」

「Aちゃんっ！！」

「桜月！！」


その後チャドは私の方に向かおうとしたのが分かったから、「来るなっ！！！」と叫んだからか、驚いてその場に止まる。


そして私は渦から離れ、普通だと有り得ない早さで、地面に向かって落ちていく。

着地に備え、受け身体制を取ろうとしたその時だった。








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「Aっ！！！」





……………………え？

38.いやちょっと待ってこれはあかんヤバイ→←36.そんなチマチマとじゃなくて！

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