【BLEACH】異界に舞う桜

17.嘘はまぁ前半は言ってない ページ18

ドッ…




肩にこれ以上無い位の痛みが走る。伸びた刃の付け根が、肩を深く抉った。そしてゴリゴリと嫌な音を立てて、刃は持ち主の元へと戻ってゆく。


「ウソ……、だろ…………っ」

「桜月っっ！！！」


重力に従い、ゆっくりと崩れ落ちる中、ルキアの悲痛な声が響く。

そして、倒れる私を見下ろし嘲笑しながら何かを言っているムカつく赤色のアイツ。……ていうかさ、




一護、いくら何でも遅すぎだろ！ もう来てもおかしくないよね！？ これじゃ私が来た意味あんまり無いよねぇ！！？


自分が危険だというのに、そんな事を考えながら意識を失った。




事の始まりは、夜一さんに詳しい事を話して暫くしてから……



＊



約……感覚的には結構長かったけど、多分30分前。



二つの大きな霊圧を感じ取った私は直ぐに浦原商店を出て、それを道標に走り続けた。

そして、着いた時には恋次と雨竜が既に戦っていて、雨竜が劣勢で今にも恋次に斬られそうだったため、


「おらぁっ！！」


脚力をフルに使って跳躍し、宙返りをして恋次の刀に踵落としを叩き込んだ。案の定、白哉を含むその場全員が私の登場に目を大きく見開く。


「良かったー！ 間に合った！ 雨竜、大丈夫か？」

「あ、ああ……。それより桜月さん、どうしてこんな所に……？」

「あー、私はまぁ……いきなり大きな霊圧にびっくりしてさ、何かと思って来てみたんだ」


嘘はまぁ前半は言ってない。二人の霊圧に本気でびっくりしたわ。これで全開の2割とか尸魂界行ったらバケモン確定だぞ。


「ま、そんなの関係無いけどね」


指の骨をバキバキと鳴らしながら、恋次の前に立つ。私がしようとする事を察したのか、刀を構えながら恋次が口を開く。


「誰だてめぇ？ そのメガネの知り合いか」

「そ。私は桜月A、雨竜を傷付けるのなら……先に私と戦いなっ」


ゆっくりと構える。因みに七染桜は持ってきてない。その方がいいと思って。

ここで七染桜の力を使ったら多分、"斬魄刀を使う謎の人間"とかいうレッテルを張られて尸魂界に拉致られそうだし。
後その所為で藍染に変に目を付けられたら、後々厄介な気がする。


「っよせ！ 無茶だ！ あやつと戦うなど……！」

「……なら、僕も戦うよ」

「駄目だよ、雨竜は戦わせられない。私に任せて」


そう言うと、雨竜が何か言う前に私は素早く背後に回り込み、首に手刀を入れる。

倒れる雨竜に、「ごめんね」と聞こえてない謝罪をした。

18.人を見た目で判断するのは良くないよ？→←16.軽いノリのつもりだったのに辛辣だ酷い！！

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