第四十八話. ページ49
愛する君の身体が蒼く透明に輝く
異能無効化と云う異能を持った私に触れれば彼女は消えて仕舞う
ひと時目覚めた私の愛する人は、もう既に帰らぬ存在だったから
後悔ばかりが私を襲うけれど、きっと君はそれを望まないだろうね
目の前の中也は涙を堪えて苦しく藻掻いている
「A……ちゃん、君を誰よりも愛しているよ」
『最期に聞けて良かったよ。ありがとう…っ、』
「ずっと逢いたかったんだ」
『やっと逢えた』
そう云って微笑むAちゃんの綺麗に輝く唇にそっと接吻を落とす
最後の温もりを絡め取る様に丁寧に、限りのない愛を込めて
『最期に貴方の腕の中に居られて、温もりを感じられて幸せでした』
「君の最期に相応しいのは……私だけ、だろう?」
『ふふっ、自信家だなぁ、合ってるけどね……さぁ、治くん』
もう既に彼女の身体は半分以上消えている
「………A」
『っ、最期に名前呼び捨てなんて、狡い人、』
『ありがとう……治。さようなら』
「永遠に君だけを愛しているよ……」
『勿論、私もです…!』
彼女の笑顔が今、飽和した
“
雨が降っていた。その雨を見る度、君への想いが増すんだ
広がる一面の花園に建てられた君のお墓にそっと寄りかかり
そっと其の君が眠っている上に忘れ物の手巾と花束、皆からの書翰を添えた
さしていた傘を下げ雨に打たれる
傘が揺れた
『風邪ひいちゃうよ』
そう聞こえた気がした
「ふふっ、平気さ。」
雨を見てまた、君を想う
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凜(プロフ) - 伊月さん» コメントありがとうございます!物語の構成は創る以前に練った部分もあるのでお気付きになって貰えて嬉しいばかりです……!深夜帯の方が泣ける可能性何故か高いですよね、笑今度も精進して参ります!本当にありがとうございます! (2021年10月21日 21時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊月 - 物凄くよかったです!文体がめちゃくちゃ私好みな上、物語の構成がもう涙しか誘わない...泣けなかったけどもw 深夜に読んでこっそり泣こうかな。表現とかもすごく綺麗で、とても参考になりました。漢字沢山使ってて文ストっぽくて好きです!活動応援してますね! (2021年10月18日 12時) (レス) @page50 id: db73aa45c7 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます!神作だなんて私には勿体ない程ありがたいお言葉を頂いてしまって……、、文才ももう褒めてもらえて幸せでいっぱいです!私もそのように優しい主様に出会えて良かったです!ありがとうございます…! (2021年10月6日 0時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - いや、真面目に泣きました。神作過ぎます、、、、、こんなの見れて今日は私の命日なのかな?感動しましたし、作者さまの文才が凄いですね!こんな神作、もう出会えないかも知れない。出会えて良かった、、、、、 (2021年10月4日 23時) (レス) @page49 id: 2eb070a2f9 (このIDを非表示/違反報告)
凜(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!そのような嬉しいお言葉をいただけて私も幸せですし泣きそうです…、感動できる作品創りを心掛けて居るので良かったです…!本当にありがとうございます! (2021年9月23日 20時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凜 | 作成日時:2021年5月28日 21時