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第二十三話. ページ24

血液特有の鉛臭さが鼻腔を突き、脳を刺激した


其の刺激に重く堅い瞼を抉じ開けた。其処に待って居たのは殺風景


『おか……さ、おと、さん?』


私以外の誰が見ても此の肉片を人だとは云え無い


私だからこそ…私だからこそ判って仕舞う残酷な事実


原型を全くと云ってよい程に留めていない“なにか”


瞬時に、自身が殺して仕舞ったのだと理解する


『…やっぱり。生きて居るだけで厄介なんだ』


刹那、私の視界一杯に温もりだ広がった


そして初めて、誰かに抱き締められて居ると知る


『私に触らない方がいいよ…おじさん。』


「君がAちゃんだね?大丈夫だよ。私が君を引き取ろう」


此が私と森鴎外…森さんとの出逢いだった


後に聞いた話では、先代の首領は迅速な避難により、一切の怪我すら負って居なかったと云う







「と云う事だよ、太宰くん。」


「へぇ…それで、何で森さんは助けなかったの。そこに居たんでしょう」


「もう遅かったのだよ。私が駆け付けた時には異能はAちゃんと共に力尽きて居た」


引換えに遺されて居たのは、見るに堪えない命の欠片だったと云った


「太宰くん。Aちゃんは私にとって娘も同然なのだよ」


「大切な娘の為に人の命に手を掛ける父親は駄目かね?」


そう呟く森さんの表情は何処迄も哀愁が漂って居た


“佳いんじゃあない?少なくとも僕は止めないよ”


僕自身も、許されるのなら手を出したかった


其れ程にAちゃんが大切だから。妹の様に……愛して居るから


そうして僕達は先代に手を掛け、当時の側近の黒服も処刑をした


全ての復讐は幕を閉じ、後はAちゃんを傍で支え続けるだけだった


約一年後、特異的な異能により再会をする迄は_____

第二十四話.→←第二十二話.



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治 , 文スト   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 伊月さん» コメントありがとうございます!物語の構成は創る以前に練った部分もあるのでお気付きになって貰えて嬉しいばかりです……!深夜帯の方が泣ける可能性何故か高いですよね、笑今度も精進して参ります!本当にありがとうございます! (2021年10月21日 21時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊月 - 物凄くよかったです!文体がめちゃくちゃ私好みな上、物語の構成がもう涙しか誘わない...泣けなかったけどもw 深夜に読んでこっそり泣こうかな。表現とかもすごく綺麗で、とても参考になりました。漢字沢山使ってて文ストっぽくて好きです!活動応援してますね! (2021年10月18日 12時) (レス) @page50 id: db73aa45c7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます!神作だなんて私には勿体ない程ありがたいお言葉を頂いてしまって……、、文才ももう褒めてもらえて幸せでいっぱいです!私もそのように優しい主様に出会えて良かったです!ありがとうございます…! (2021年10月6日 0時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - いや、真面目に泣きました。神作過ぎます、、、、、こんなの見れて今日は私の命日なのかな?感動しましたし、作者さまの文才が凄いですね!こんな神作、もう出会えないかも知れない。出会えて良かった、、、、、 (2021年10月4日 23時) (レス) @page49 id: 2eb070a2f9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!そのような嬉しいお言葉をいただけて私も幸せですし泣きそうです…、感動できる作品創りを心掛けて居るので良かったです…!本当にありがとうございます! (2021年9月23日 20時) (レス) id: da98b739f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年5月28日 21時

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