10話:何これカオス ページ10
「最後にここがシンドバッド王と、それに親しい官達の私的住居空間、紫獅塔です。先も話したように、状況が落ち着けば貴女もこちらに移って頂くので、今のうちに道を覚えておくといいですよ」
「はーい」
ジャーファルにそう言われ、私は脳内でこれまでの道順を思い出して記憶に植え付ける。そして案内を一通り終えたら、これから白羊塔の大広間へ向かうとのこと。曰く、案内の後は他の八人将に私を紹介するらしい。
………………………………マジで？？
「うわどうしよう緊張でお腹が痛くなってきた……」
「えっ大丈夫ですか？ そんなに肩に力を入れなくてもいいですよ。皆いい人なのは、貴女もご存知なのでしょう？」
「まぁ、そうなんだけどさ……」
何だろう、無性に緊張してしまう。これから大勢(言ってもシンやマスルール含め8人だろう)の人前に晒されるからだろうか……でも、前の世界では緊張による腹痛なんて1度も無かったし……それとも、環境が激変した……のは少し有り得そうだけど、そんな急に体調にくるものなのだろうか。
「シンドバッド王よ、ジャーファルです」
「あぁ。入ってきてくれ」
謎の緊張の原因を1人で探っていると、いつの間にか大広間の前に来ていた。扉越しにシンが返事したと共に、ジャーファルが大きな扉を開ける。開いた先に、円卓を囲んで八人将が座っていて視線が私達……正確に言えば私に向けられ、萎縮から思わずヒェッ……ではなく「ピィッ……」と謎の声が漏れた。今の声どっから出したんだ私。
「えっと、大丈夫ー？ 今すごい声が出たような気がするけど……」
「お前がジロジロ見るから、ビビったんじゃね？」
「いや、ジロジロとは見てないわよ！ それにあんたにも言えることでしょうが！ 完全にあの子萎縮してるわよ！」
「俺のせいだって言いてぇのか！？ 大体お前はなぁ！」
「2人とも！ 彼女が困っていますから！」
私を当て馬に、シャルルカンとヤムライハの痴話喧嘩が始まった。そんな2人をジャーファルは止めようとしていて、周りはいつものことだからか、2人を放って私から目線を外さない。
「何これカオス」
思わずぽつりと呟く。すると椅子から飛び降りて、ピスティがこちらに駆け寄ってくる。
私より一回り小さいピスティに、やっぱり5年前となるとすっごい小さいなぁ……と思っていると、ピスティは「初めまして、だね！」と笑いかけた。
11話:や ら か し ま し た→←9話:うーん、超親切だ
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水原 紫歩(プロフ) - Lieat・Resign@Alice mareさん» コメント有難うございます！ 笑って頂いて何だか恐縮ですww (2016年4月29日 21時) (
レス) id: 0e76fea726 (このIDを非表示/違反報告)
Lieat・Resign@Alice mare - チョココロネへアー吹いたwwww (2016年4月29日 14時) (レス) id: 48a9418dfb (このIDを非表示/違反報告)
水原 紫歩(プロフ) - フルートさん» コメント有難うございます！ まだ下手で勉強の最中ですが、頑張ります！ (2015年2月25日 21時) (レス) id: c2c38c2e0a (このIDを非表示/違反報告)
フルート - 絵可愛いですよ、これからも頑張って下さい (2015年2月25日 18時) (レス) id: 9d5d3e9e50 (このIDを非表示/違反報告)
水原 紫歩(プロフ) - 市咲さん» 大丈夫ですよ！ だけど容姿等は私のイラスト集のコメントでお願いします！ ワガママですみません！ (2015年1月13日 18時) (レス) id: c2c38c2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水原 紫歩 | 作成日時：2014年7月14日 18時
