【マギ】トリップしたら5歳程若返って、七海の覇王と八人将に拾われた【アリババ】

12話:きっと気のせいだよHAHAHA ページ12

突然の涙に何事！？ と思う前にシャルルカンに盛大に抱きしめられる。「な、何！？ どうしたの！？」と思わず訊くと、「お前……お前っ……！！！！」と涙声で言いながら私の肩にぐりぐりと頭を擦り付けてきた。


「剣術に対じでぞう言っでぐれだのはお前だげだ！！！！ おい今の聞いだ！！？ ぎいでだよな！！！！？？？」

「うっさいし何言ってるか全然分からないわよ！」

「ンだどぉお"！！？」

「ちょ……し、シャルルカ、首、キマっ…待っ、無理ッ…………死ぬッッッ…………！！」


抱きしめていた腕は興奮しているからか、いつ しか首に回されスリーパーホールドを決められているような形になっていた。腕を叩いて解くように頼むが、全然腕を緩めてくれない。


「ち、ちょっとアンタ！ Aちゃんの首キメてるキメてる！！ 分かったから離してあげなさい！！」

「シ、シャルルカン！ 一旦Aを離しなさい！ 白目剥いてますから！！ ほら！！！ ちょっ！ 聞け！！！！」



*



「本当にすみませんでしたこちらの剣術馬鹿が……」


私がマスルールとヒナホホの二人がかりで解放されるや否や、ジャーファルがシャルルカンの頭を床に着けさせ(叩きつけたとも言う)、土下座の姿勢をさせる。


「ううん、大丈夫だよ。私は全然、全く、これっぽちも、微塵も気にしてないから！」

「いやこれは俺が全面的に悪いけどさ……なんかそこまで言われると逆に気にしてるように聞こえるんだが……」

「きっと気のせいだよHAHAHA」

「笑い方がもっと怪しいわ！！」


本当に気にしてないものの、シャルルカンの反応が少し面白いため少しだけいじっていると、兵が1人「失礼します、王よ」と言って入ってきた。どうやら南海生物が出現したとのことらしい。

(南海生物……ってことは、謝肉祭かぁ)


「行こうかA、俺にしっかり掴まっているんだぞ」

「え……わっ！？」


シンに声を掛けられたかと思いきや、突然浮遊感に襲われる。膝裏と背中に腕を回されていて、どうやら私はシンに抱き上げられているようだ。


「……俺には妻もいなければ、子も当然いない。父親らしいことは何なのかも分からない。だが……血が繋がってはいないが、俺は君を娘として守っていくと約束しよう」


抱き上げながら、しっかりと私の目を見据えてシンはそう言った。

描いてくれました!!→←11話:や ら か し ま し た

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