2話:この運命に感謝したいな。……なんて ページ2
「分かっていると思うけど基本、君が居た世界では魔法どころかか"ルフの概念"そのものが無いんだ。あの世界で人は死ねば、余程の未練が無い限り……魂はそのまま消滅してしまう」
「じ、じゃあ何で私はルフになってんの！？ 私に……未練は、無かった。だから私の魂は、消える筈、なのに……」
未練と言われ、思わず今迄の事を思い出し、俯いて床に視線を彷徨わせる。そんな私を気遣ったのか、ウーゴ君は追求することはなく話を続ける。
「……五千年に一度、ある特殊な人間が産まれ落ちるという伝説が存在する。それは、向こうの"魂の消滅"という固定概念を打ち破りルフと化す……向こうが生む奇跡を起こす人間の事」
「その人間が……私だという事？」
顔を上げて確認すれば、ウーゴ君はゆっくりと頷いて肯定する。そこで、私がこうして聖宮に呼ばれた理由に合点がいった。
「つまり……マギの世界に行って、アル・サーメンと戦って欲しいっていうわけね。でも、今の私はルフなんでしょ？ そこはどうするの？」
「そこは俺の方でなんとかするけど…………いいのかい？ こちらから呼び出しておいて何だけど、アル・サーメンがいる以上、こちらは向こうより危険なのは君も解っている筈だよ。運命の逆流によって、いつ死んでもおかしくない世界で……君は一人で生きる事になるんだよ？ それでもいいの？」
「……」
ウーゴ君の言葉が無性におかしくて、意識せずとも笑みがこぼれるのが判る。
「アル・サーメンがいる以上、ね……。大丈夫だよウーゴ君、向こうにもその人達みたいな連中はいた。確かに魔法や戦争がザラにある以上、危険度は明らかにそっちが上だけどね」
「A……」
「それに、もう……もう、嫌なの。あんな世界。住んでた世界にお別れして、まったく別の世界に行くなんて願ったり叶ったりな申し出だよ。本当にすごく嬉しい、この運命に感謝したいな。……なんて」
少しだけ皮肉混じりに笑顔を浮かべて言えば、ウーゴ君は辛そうな表情を浮かべる。そんな彼を見て、今の自分の科白に嫌気がさした。
「そ……そう言えばさ、アラジンは？ もう聖宮の外にいたりする？」
「え？」
どうにか話を逸らそうと思い、アラジンについて訊いてみる。ウーゴ君は一瞬きょとんとした顔をするものの、｢アラジンなら……｣と私を─正確には私の後ろを指す。そこには思ってた以上に幼い、青い少年があどけない顔で眠っていた。
……全然気が付かなかった…………
3話:想像以上にシャイだった……→←1話:はじめまして、ウーゴ君
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水原 紫歩(プロフ) - Lieat・Resign@Alice mareさん» コメント有難うございます！ 笑って頂いて何だか恐縮ですww (2016年4月29日 21時) (
レス) id: 0e76fea726 (このIDを非表示/違反報告)
Lieat・Resign@Alice mare - チョココロネへアー吹いたwwww (2016年4月29日 14時) (レス) id: 48a9418dfb (このIDを非表示/違反報告)
水原 紫歩(プロフ) - フルートさん» コメント有難うございます！ まだ下手で勉強の最中ですが、頑張ります！ (2015年2月25日 21時) (レス) id: c2c38c2e0a (このIDを非表示/違反報告)
フルート - 絵可愛いですよ、これからも頑張って下さい (2015年2月25日 18時) (レス) id: 9d5d3e9e50 (このIDを非表示/違反報告)
水原 紫歩(プロフ) - 市咲さん» 大丈夫ですよ！ だけど容姿等は私のイラスト集のコメントでお願いします！ ワガママですみません！ (2015年1月13日 18時) (レス) id: c2c38c2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水原 紫歩 | 作成日時：2014年7月14日 18時
