素直になれなくて、 (ページ7)

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それからは、そのバーでたまに2人で飲むようになった。

でも、待ち合わせして行く訳でもなく、翔太が飲んでいる時に連絡が来て、そこに合流する感じ。

この頃にはすっかり翔太を好きになっていた私は、それが必ず金曜日だったことに気づいてからは、毎週金曜は家にいるようになった。

翔太今日、来れる?

いつ来るかもわからない、この連絡を待つために。

翔｢お、早いじゃん｣

『うちから一駅だからね。あ、涼太くん、スクリュードライバーお願いします』

涼｢かしこまりました。Aちゃん、今日はあんまり飲みすぎないようにね。｣

ここのマスターで、翔太の幼なじみの涼太くん。

いつも貴族のように微笑みながら、カクテルを作ってくれる。

翔｢お前、相変わらず飲みっぷりいいな。｣

一口目でほぼなくなったグラスを見て、呆れたように言われた。

『そうね、お酒好きだし。まぁ強いし。』

翔｢飲み方がカクテルじゃなくてビールじゃん。｣

『もー、うるさいなぁ。私だって、日本酒とかは嗜むように飲みますよ。』

翔｢そうなの？あ、そういや、こないだ取引先からいい日本酒もらったな。｣

『えー、翔太飲まないじゃん。もったいない。』

翔太は飲む量も少ないし、特に日本酒はあまり飲まない。

一方私はどこへ行っても酒豪認定されるくらいの酒好きだ。

…かわいい女子みたいに、一口飲んで顔赤くするとか、やってみたかったな。

翔｢じゃあ、今から家で飲む？｣