素直になれなくて、 (ページ35)

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『お邪魔しまーす』

翔｢おー。散らかってるけど、そこら辺適当に座って。｣

週末、約束どおり翔太の家に来た。

廊下を抜けると、相変わらずキレイに片付けられた部屋に、翔太の匂い。

…あぁ、またここに戻ってこれたんだな、とキュンとしてしまう。

『肉じゃがの材料、買ってきたから冷蔵庫入れとくね。』

張り切って買いすぎてしまった材料を、冷蔵庫に詰め込んでいく。

冷蔵庫の中身は、相変わらず水分ばっかり。

いつもコンビニとか出前で済ませてるんだろうな。

…これからは、私が栄養のあるもの食べさせてあげたいな、なーんて。

恥ずかしいから翔太には言えないけど。

『…ぅわっ！うま！』

久しぶりに翔太のために作った料理は、目をまん丸にして喜んでくれてほっとする。

この顔、バブくてかわいいんだよなぁ。

翔｢なにそのニヤけた顔。変なの。｣

『…はぁ？そんなこと言うなら、ご飯没収しますけど。』

翔｢…あー、肉じゃがうまいなぁ。お店で食べてるみたいだなぁ。｣

ジト目で翔太を睨むと、ぐははって笑ってる。

こんな風に軽口叩けるようになったのも実は嬉しいなんて、きっとバレてるんだろうな。