素直になれなくて、 (ページ30)

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『あ、翔太ごめん、先行ってて！ちょっとお土産買ってくる！』

あまりにもお好み焼きが美味しくて、ついついギリギリまで長居してしまった私たちは、急いで駅に向かう羽目になった。

早くしろよー、っていう翔太の声を背中で受け止めて、駅ナカのお土産屋さんを物色する。

佐藤課長と、部署のみんなと、さっくん。

さっくんには何がいいかな。

…あ、これ。

萌え系のかわいい女の子がパッケージになっているお菓子を手に取って、急いでレジに向かった。

翔｢いやお前、買いすぎじゃね？なにその量。｣

『え、だって、部署の皆さんにも買ってたら、多くなっちゃって。』

お前そうゆうとこあるよな、って、ぐわははは、と笑う翔太。

翔｢重いだろ。上の棚に上げるから、貸して。｣

急に翔太の手と袋を持った私の手が触れたもんだから、びくっとして手を引いてしまった。

その瞬間、袋からパサっと飛び出るかわいい女の子のパッケージ。

…翔太がそのお菓子をなんとも言えない顔で見ていたのは、気のせいだろうか。

『あ、ごめんごめん！大丈夫だよ、これくらい持てるから。ありがと。』

固まったままの翔太を席に座らせて、急いで荷物を棚に上げた。