素直になれなくて、 (ページ20)

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『…これで大丈夫だよね。』

日曜日。

1日やそこらじゃ消えてくれないキスマークを隠すために、首にはしっかりコンシーラーを塗って、髪の毛もゆるく巻いておろした。

さっくんが私たちのこと知ってるかわからないし、知られてたとしても、冷静に考えてこの歳になってキスマークついてるのなんて誰にもバレたくない。

大｢Aちゃーん！あ、今日髪の毛巻いてる！かわいいー！！｣

待ち合わせ場所へ着くと、相変わらず元気に迎えてくれるさっくん。

あぁ、ピースフル。元気出る。

大｢ぶたさん達に会えるの、楽しみだなー！｣

『ね、楽しみ！そういえばさっくん、今日は嫁Tシャツじゃないんだね？』

大｢あぁ、今日はね！デートに着てきたら、嫁が嫉妬しちゃうかもしれないからね！｣

『え、、』

デート？そっか、これはデートなのか。

正直、わんちゃんと一緒にぶたさんに会いに行く、くらいの感覚だったな。

大｢もう！だから俺だって男だって言ってるでしょ！｣

ぷんぷん、と聞こえてきそうな表情をするさっくんには、やっぱり私の考えてることはお見通しみたい。

でも、怒った顔があまりにもかわいいから、ふわふわの髪の毛をわしゃわしゃってしたら、

大｢やめろよー！｣

って笑いながら尻尾をふっていた。