素直になれなくて、 (ページ19)

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『…あ、れ、』

陽の光が眩しくて目を覚ます。

昨日はいつの間にか眠ってしまっていたみたい。

スマホを探すも近くになくて、そういえばソファに置きっぱなしだったな、と思い出す。

翔太を起こさないようにベッドから降りた時、お腹に小さな痕がついているのに気づいた。

…まさか。

洗面所にいって鏡を見ると、身体の至る所に紅い花が咲いている。

首だけじゃなくて、こんな全身に……

ほんと、昨日の翔太はどうしたんだろう。

『……って、今日もかい。』

翔｢は？なに、どしたの。｣

『…いや、何でもない。こっちの話。』

何でもなくはないんだけど。

映画館に行くまでも手を繋いだり、ふとした時に腰を引き寄せたり、、昨日からずっと、いつもの翔太とは違うことばっかりするから違和感。

でも、嬉しくない訳がない。

こんな、｢お前は俺のもの｣みたいな扱いされたら、ドキドキして、翔太の特別になれたのかもって思ってしまう。

…まぁ、今までも期待する度に裏切られてきたんだけど。

勝手に期待して、勝手に裏切られた気になってるのに、懲りないなぁ、ほんと。

ニヤニヤしてたみたいで、

翔｢なんか顔キモいんだけど。｣

って辛辣につっこまれたのに、それすらも嬉しく思えてしまう私は、相当末期だ。