素直になれなくて、 (ページ14)

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大｢今日は付き合ってくれてありがとね！俺のおごりだから、お腹いっぱい飲んで！｣

『いや、そこは食べてじゃないの？笑』

お母さんの誕生日プレゼントを買いたいってゆうさっくんの買い物に付き合ってから、居酒屋にきた。

さっくんは翔太以上に飲まないのに、合わせてもらってなんか申し訳ないな。

大｢あー！俺がお酒飲まないから遠慮してるでしょ。俺ね、居酒屋ってすごい好きなの。ご飯美味しいから、よく来るんだ。｣

『…さっくんって、私が考えてることよくわかるよね。』

大｢にゃははっ。Aちゃんはわかりやすいからねー。｣

1番わかりやすいと思ってたさっくんにわかりやすいって言われるなんて、ちょっとショックだ。

その後もさっくんの嫁話や会社の話をしていたら、あっという間に時間が経った。

大｢あ、もうこんな時間！遅くまでごめんね。そろそろ帰ろっか。｣

美味しいお酒とご飯と、さっくんの楽しい話で満たされて帰り支度を始めた時。

ブブッとスマホが震えた。

【着信：翔太】

こんな時間にどうしたんだろ。

でも、なんかさっくんの前で電話に出る気になれなくて、そのままカバンにしまう。

大｢…出なくていいの？｣

『あー、うん。大丈夫。たぶん大した用じゃないから。』

大｢…そっか。あのさ、Aちゃんまだ時間大丈夫？｣

『うん、大丈夫だよ？』

大｢そしたらさ、、もう一軒付き合ってくれない？｣

さっきまではニコニコしていたのに、憂いを帯びた目で見つめてくるから、少し驚く。

…さっくんに男を感じたの、初めてかも。

思わずこくん、と頷くと、

大｢やった！じゃあ行こっ！｣

と、いつもどおり笑うもんだから、ギャップにびっくりした。

…同期の女子たちがキャーキャー言ってたギャップって、これか。