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春休み。
『辰哉が遊んでくれない』
なんて、かわいいワガママ言うもんだから、とりあえずゲーセンに連れ出した。
辰「俺さぁ、クレーンゲーム得意なのよ。あまりにも取りすぎて、出禁になるくらい。」
『はいはい、また話盛るんだから。あ、私あれ欲しい!』
嘘じゃねぇって、と抗議しつつ、Aが指さした先に視線を向けると、かわいいクマのぬいぐるみ。
『これかわいい。取って?』
お前の方がかわいいよ、って言ったら、華麗にスルーされるんだろうな。
お望みどおり、クマ救出作戦に取り掛かる。
500円を入れて、アームを何回か動かして。
よっ、と。
『え、すごい!本当に取れた!』
辰「だから言ったろ?俺、得意なんだってば。」
嬉しい〜!って喜ぶA、かわいいな。こういうとこ、無邪気でまだまだ子供だなって思う。
ほんと、なんでタバコなんか吸い出したかね。
辰「…誰にも言ったことなかったんだけどさ、Aには言うわ。」
『え、なに、どしたの?』
辰「…俺さ。生まれ変わったら、クマになりたいんだ。
だから、これは俺の生まれ変わりだと思って、大事にしてくれ。」
『いや、辰哉死んでないし』
バカじゃないのって、パシッと肩を叩かれる。
でも、大事にするね、ってクマをぎゅっと抱きしめるA。
…今まで、そんなリアクションしなかったじゃん。
これってさ、俺、期待していいの?
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作者名:miracle | 作成日時:2021年3月21日 14時