本当はかっこいいんです (ページ17)

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You side

突然、辰哉に抱き締められる。

『え、なに。辰哉？どしたの、』

え、てゆうか、ここ、いくら人通り少ないとはいえ思いっきり外なんだけど、、

でも、辰哉の温もりがあったかくて。

辰哉って、細いけどちゃんと筋肉はがっしりしてるんだよなぁ。

辰｢Aは、これで終わりでいいの…？｣

1年半の片想い。

確かに、終わりはあっけなかったな。

『…そうだね。

なんか、自分でも、びっくりしてる。』

涙とか、出ないもんなんだなぁ。

少し肌寒くなった風が吹く中、包まれる温もりが心地良い。

辰哉の腕の中って、なんか落ち着く。

ずっとこうしてたい、かも。

辰｢ねぇ、俺はさ。

諦めなくてもいい、、、？｣

耳元で囁く声。

え、なに。なにを？

・・・辰哉も、好きな人、いたの？

そういえば、今まで私の話ばっかり聞いてもらってて、辰哉の話って、聞いたことないかも。

辰哉が私の隣からいなくなっちゃうとか、考えたことなかった。

ずいぶん自分勝手だな、私。

…辰哉は諦めなくても、誰かのことが好きなままでも、私の傍にいてくれる？

そんな都合のいい話、ないか。

辰哉の問いに、いいよ、ともダメ、とも言えなくて。

無言でいたら、抱きしめられる力がぎゅっと強くなった。

こんな風に私以外の誰かを抱きしめるのかなって考えたら、なんか、涙が溢れそうになって。

こんな泣きそうな顔、辰哉からは見えなくて良かったなって思った。