幼馴染の君に恋をした３ (ページ10)

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想像とは違う、柔らかい声に顔をあげる。

そこには、優しく微笑む紫耀のお母さんの姿があった。

紫母「紫耀、廉くんを幸せにしてあげるのよ。そして廉くん、紫耀をよろしくね？」

俺は目を見開く。

廉「許してくれるんですか。」

紫母「えぇ。否定なんてできないわ。」

紫「孫の顔見せてあげられないかもよ？」

紫母「それが紫耀の幸せならそれでいいの。母親っていうのはそういうものなのよ。」

紫「…ありがとうっ。」

紫耀は少し目に涙を浮かべる。

周りの人とは違い、親とは切っても切れない縁で結ばれている。

だから、親の意見はとても大きなものなのだ。

廉「本当にありがとうございます。」

そんな紫耀の姿に俺も思わず涙ぐむ。

けれど突然紫耀のお母さんが、厳しい顔をした。

紫母「でも、１つ条件がある。」

紫「条件って？」

紫母「廉君のご両親にも報告をすること。」

廉「俺の両親ですか？」

紫耀のお母さんは頷く。

紫母「お父さんには私から言っておくわ。でも廉君のご両親には自分たちから言いなさい。」

紫母「これが私からの条件よ。」

紫「わかった。」

紫耀は俺を見る。

紫「廉、今日ってお母さんもお父さんも家にいる？」

廉「…多分、２１時ごろにはいると思うけど。」

紫「じゃあ、２１時に廉の家に行くわ。」

廉「わかった、待ってる。」

俺は紫耀にうなずいた。

紫耀のお母さんに認めてもらえたことで、少し肩の荷が下りたが

これから自分の親に言わなければならないと考えると胃痛がしてくる。

けれど、一人ではなく紫耀もいるということだけで

俺にはだいぶ心強かった。