幼馴染の君に恋をした３ (ページ4)

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廉side

なんで、こんなことに…。

何故か、今俺は紫耀と相合い傘をしながら歩いている。

すこし動いたら肩が触れ合ってしまう距離。

こんな近くに長時間いたことなんて無い。

俺の心臓はありえないくらいドキドキしている。

紫耀の方なんて見れるわけもなく、俺は反対側を見て歩いた。

紫耀も緊張しているのか、何も話さない。

呼吸すらもしづらいような雰囲気に、俺は必死に別のことを考える。

廉『…あ。』

そこで俺は気づいた。

廉『紫耀、めっちゃ俺の方に傘傾けてくれてる？』

俺の肩は全く濡れていない。

それに上を見上げれば、明らかに俺の方に傘が傾いていた。

廉「しょ、紫耀。そんな俺の方に傘傾けたら紫耀が濡れてまう。」

紫「ん？大丈夫だよ。」

いやいや、大丈夫とかそういう問題やないねん。

廉「違う！ほら。」

俺は、紫耀の手の上から笠の持ちてを握る。

そして、傘を水平に戻した。

廉「これで、大丈b…。っ///」

顔をあげると、目の前には紫耀の顔。

俺は慌てて、紫耀から離れる。

廉「ごっ、ごめん///」

紫「…いや、大丈夫///」

さっきよりも気まずい雰囲気になってしまった。

俺、何してんねん。

そこから数分経った後。

だんだんと雨が弱まっていき、紫耀は傘を閉じた。

でも、顔は見れない。

俺たちの間にはまた、広がったスペースができた。

なんか喋らないと。なんて思っていた時。

紫「あ。廉空見て！」

廉「え？」

突然、紫耀が俺の名前を呼んだ。

紫耀の言う通り、俺は空を見る。

廉「！…すご。」

空には奇麗な虹がかかっていた。

紫「俺、こんなにはっきりした虹初めて見たわ。」

廉「俺も。」

紫「雨も悪くないだろ？」

紫耀は満面の笑みで俺を見る。

廉「うん。」

俺もつられて微笑むと、紫耀は静かに手を握ってきた。

紫「…虹綺麗だし、手繋いで帰らない？」

廉「ハハッ…うん。」

虹が綺麗なのと、手をつなぐのが、どうしてイコールになるのかはよくわからないが別にええか。

だって、こんなにも幸せなんやもん。

これなら、雨も悪くないかもな。