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暗い中光り輝いているツリー。
その光景はとても美しい。
紫『綺麗だね。』
そう声を掛けようと思い、廉を見る。
けれど、次の瞬間にはそんな言葉は消え去っていた。
薄暗い中、ツリーのライトにぼんやりと照らされ
少し目を細めてツリーを眺める廉は、ツリーの何倍も綺麗に見えた。
俺は視線を戻したあと廉の手をギュッと握る。
紫「冷たくなってる。」
廉「そう？」
紫「うん、氷みたい。」
廉「それは言いすぎやろ。」
廉は笑って言うが、明らかに廉の手は冷たい。
俺は少し躊躇った後、廉の手を握ったまま自分のポケットの中に手を入れた。
紫「あったかいでしょ。」
廉「んふふ、うん。」
そして少し会話をした後、また2人でツリーを見上げる。
クリスマスイブに雪が降るなんてロマンチックな事は起こらなかったけど
それでも廉が隣にいるだけで、今までで一番幸せなクリスマスイブだ。
俺は、ぼんやりとそんなことを考えながら目の前で輝くツリーを見ていた。
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作者名：恋空奈 | 作成日時：2021年3月14日 18時
