幼馴染の君に恋をした３ (ページ17)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:95,383 hit

１１０ページ17

⚠注意このお話には性同一性障害の表現と、ロミオとジュリエットの物語をオリジナルにしている
　ところがございます。予めご了承下さい。

～数週間前～

脚本「それと、もう少しアレンジを加えるのもありかなって。」

女「アレンジって？」

脚本「例えば、ジュリ〇ットは実は性同一性障害を抱えている女性で初めて家族以外に自分の病気の
　ことを告白するの。自分は身体は男性だからって拒むジュリ〇ットをロ〇オは優しく受け止め
　るみたいな。このうちらの演劇で少しでも何かをみんなに感じてもらえたらって思うんだけ
　ど。」

―――――――――――――――――――――――――――――
そう、だから俺は廉のお父さんを文化祭に呼んだんだ。

恋愛に性別も障害も病気も関係ない。

ただその人のことが好きだから付き合っているんだって。

そう分かってもらうために。

そして過去のトラウマを消してもらうために。

ロ〇オはベランダに居るジュリ〇ットを見つける。

そこでは空を見上げてロ〇オへの愛を語るジュリ〇ット。

それを見てたまらずロ〇オはたまらず飛び出していく。

紫「ジュリ〇ット、私も君を愛している。一家の対立なんて関係ない。私の妻になってくれません
　か。」

ロ〇オの言葉を聞いて、ジュリ〇ットはパッと顔を輝かせる。

けれど、すぐに目を伏せた。

廉「…ごめんなさい。貴方の妻になることは出来ません。」

紫「どうして。私の家と貴女の家の対立を気にしておられるんですか？」

廉「もちろんそれもあります。けれど…驚かないで聞いていただけますか。」

紫「はい、もちろん。」

廉「…私は男性として生まれてきました。けれど私は自分のことを男性だと思ったことはありませ
　ん。そのことを話すとお母様は私が女性として生きていくことを許してくださいました。」

ここでジュリ〇ットはロ〇オの方を見る。

廉「けれど…体は紛れもない男性です。だから貴方との子供をつくることは出来ないんです。」

気付くと廉の瞳には涙が浮かんでいた。

ジュリエットを演じきっているのか、自分と照らし合わせているのかは分からない。

でもその演技は見事で客席からは鼻をすする音が聞こえ始めた。