うちの妖、平和な日常。○○してみた、されてみた (ページ44)

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2000＆3000hit記念　あの音色はもう聴けない　Ⅰ　(ルイ)　ページ44

注意
・奇病モノです。奇病はオリジナルです。
・ルイ堕ち(堕ちというかなんというか…)
・思ってる展開と違うかも
・一部つらい場面があるかも
それでもシリアスを求めたいって方はどうぞ

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Aside

…あの日。

私はいつものように、ルイの演奏を聴きに学校へ来ていた。

演奏を聴いて、同じ会話をして、別れて…

「…あなたもやってみたらどうですか、ピアノ…楽しいんですよ？」

『いや…ルイみたいに上手くは出来ないし…向いてないよ…』

「そんな事ありませんよ。誰だって、最初は初心者です。…試しに…一度だけ、
　やってみませんか？」

『う…うん…やってみる…』

普段と何ら変わらない日常が、そこにある…

はずだった。

「…！？…げほ…ごほっ…く…るし……」

どさっ。

『…え……？ル…イ……？…！？ルイ！ルイ！！しっかりして！！ルイ！！』

…あれから何日経ったのかな。それすらも解らなくなるほど、

あの出来事は…私の心を搔き乱していったんだ…

ルイは、私にピアノの弾き方を教えている途中で、急に咳き込み、倒れた。

私はパニックになった。「平常心」と言うものが、音を立てて崩れ去っていく。

でも、完全になくなってしまう前に、ほんの僅かに残った心で…私は思った。

『たすけを…よばなきゃ…だれか…よんでこないと…』

その瞬間、私は学校を飛び出した。リクやケイのいる方向へ、自分の限界、いやそれ以上の

スピードを出して飛んだ。でも、それでも…「遅い、どうしてもっと速く飛べないの」と

思わずにはいられなかった。

話を聞いたリクとケイは、足が震えて動けない私に「ここに居て、待ってろ」とだけ言って、

すぐさま学校へ向かった。

待っている間も、私の頭の中はぐちゃぐちゃで、何も考えられなかった。

それからしばらくして…

ケイが、息を切らして帰ってきた。

ケイ
「はあっ…はあっ…A…ちゃん…もう…大丈夫、だよ…さとり兄弟の…ところに…
　ルイ…いるから…」

『ル、ルイは……生きてる…の…？』

ケイ
「うん…危なかった、けど…なんとか…ね…」

ああ…良かった…生きてる…

…この時は本当に嬉しかった。

すごく…ほっとした。

……「この時は」、ね……