たんぽぽの命【テゴマス】 (ページ11)

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side 手越

「んっ……」

目を開けると

心配そうに俺を覗き込むシゲやスタッフ、
Jr.のみんなの顔があった。

「手越？」

「シゲ…」

「よかった……」

「あれ、みんなは」

「お前が倒れたら走ってどっか行っちまったよ」

それって……

窓の外を見ると太陽が出ていた。

「手越！！」

いきなりレッスン場の扉が開き
まっすーが俺に駆け寄ってきた。

「まっす…」

そのままのスピードで
俺を強く、強く、抱きしめる。

「よかった……本当に…よかった…」

そう繰り返すまっすーの背中に
俺もぎこちなく腕を回す。

まっすーの体は
ぐっしょりと濡れて冷たかった。

ありがとう、なんて
照れくさくて言えないけれど

抱きしめ返すことで気持ちを伝える。

視界の端に

まっすーに続いてレッスン場へ入ってくる
小山さんが見えた。

その頬には涙が。

「手越」

「？」

慶ちゃんの声に顔を上げる。

「俺らにもちゃんと話してよ」

ああ、まっすー言っちゃったんだ。