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「なに?」
「明日、なんだけどね…」


私は勇気を振り絞って伝えた。

明日、勇人はデーゲーム。
てっとはナイターだけれど。
てっとの試合を、観に行きたいと。

家政婦としては、失格だと思う。
勇人のこと放って出かけるのだから。


「てっとがね…今日観に来て欲しいって」


もし…もしもあの時、
試合に来て欲しいって言ったてっとの言葉が、
あの時言えた精一杯の“甘え”だったとしたら…?

あの言葉が私に見せた、
ほんの少しの弱さだったとしたら…?

そう考えたら、居ても立っても居られなくなった。


「…行けば」


勇人はぶっきらぼうに答えた。
全然そんな風に思ってないのは明らかで。
オーラから『行くな』って気持ちがバシバシ伝わる。

…でも。


「ありがと」
「別に」
「夕飯は作っておくから」
「ん」


私は試合を観に行く決断をした。
そうすることで、少しでもてっとのためになるなら
迷いなどなかった。

勇人は席を立ち、2本目のビールを取りに行く。
しかし私の隣に戻ってくることはなく、
一気に飲み干した彼は、
そのまま「寝る」と言って部屋に篭ってしまった。


「勇人?!ごはんは?!」


私は追いかけて部屋のドアをノックし、
外から声をかけた。
すると中から気の無い声で、
「哲人帰ったら起こして」と返事があった。


「わかった…おやすみ」


勇人は怒っているのではなく、
傷付いているのだと…なんとなく感じた。

傷つけてしまったのは
他でもない、私なのだと思うけど。

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琴子(プロフ) - 初めまして、せっかくいい作品なのに鍵を付けるのはどうしてですか?私も含めて見たいと思ってる人沢山いると思います。鍵を外せとは言いません。でも私達にも読むチャンスがあってもいいんじゃないでしょうか。作者様の深いお心で考えていただきたいと思います。 (2018年9月5日 1時) (レス) id: 1b69955aed (このIDを非表示/違反報告)
AIRA(プロフ) - いおりさん» はじめまして!コメントありがとうございます☆更新遅くて本当にごめんなさい(涙)頑張るので最後までどうかお付き合いくださいっ!よろしくお願いします! (2018年4月10日 23時) (レス) id: 995a215616 (このIDを非表示/違反報告)
いおり(プロフ) - 久々の更新とっても嬉しいです〜〜!!!連投ごめんなさい(;_;) (2018年3月4日 21時) (レス) id: 0e33b65e0a (このIDを非表示/違反報告)
いおり(プロフ) - はじめまして!かなり前なのですが、ネコとライオン。を見つけ、AIRAさんの作品を読ませていただいて、こちらの作品も、ネコとライオンの番外編も続きを楽しみにしてました〜!!これからもAIRAさんの作品を楽しみにしてます!!! (2018年3月4日 21時) (レス) id: 0e33b65e0a (このIDを非表示/違反報告)
AIRA(プロフ) - 楽天loveさん» 遅くなってすみません( ; ; )朧月夜のパスワードは、現在お答えしていないのです( ; ; )削除すら検討している作品ですので、どうかご容赦くださいませ( ; ; ) (2018年3月3日 23時) (レス) id: 995a215616 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AIRA | 作成日時:2017年4月29日 4時

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