変わらない笑顔[和也]５ ページ9
潤:列車事故あったろ??
A:うん｡
和也:その犠牲者名簿にAの名前が
表示されてて…刑事も俺んトコ来て…
俺たちの話を驚いた様子で聞くA｡
A:何で､私だって思ったの??
和也:だって…これ､Aのでしょ??
俺はAにカメラや財布らを見せた｡
A:あ…盗まれたやつじゃん!!
潤:は?? 盗まれた??
和也:どういうことですか??
状況が飲み込めない俺らに
１つ１つ訳を話してくれるA｡
潤:つまり､Aは駅で荷物を盗まれて
列車に乗れずパスポートもないから
出国もできずにいて今に至ると??
A:うん｡
和也:それで､荷物を盗んだ奴が
列車に乗って事故に遭って死んで
Aってことになったってこと??
A:今､警官はそう言ってた｡
Aの話を聞いて
一気に力が抜けていった｡
A:ちょ…和??
和也:よかった…Aが無事で…
A:心配かけてごめんね??
潤も､わざわざパリまで…ごめん｡
潤:ホント…お前は相変わらず
人騒がせな奴なんだから…
でも､生きててくれて良かった｡
潤ｸﾝの目にも涙が浮かぶ｡
A:潤…ありがとう｡
和も…ごめんね…ありがとう｡
和也:Aが死んだって思ったとき
どうやって生きれば良いかわかんなかった｡
A:私は和を置いて死んだりしないよ??
今まで和を１人にしてきたんだもん…
死ぬんだったら和を看取ってから死ぬわ｡
優しく笑いながらAは言った｡
A:和､ただいま^^
和也:!! おかえり､A^^
いつもと変わらない笑顔がそこにある｡
それがどれだけ幸せなことなのか
身をもって体験したけど……
こんな思いをするのはもう嫌だ…
もう､Aと離れたくない…
和也:A…
A:ん??
和也:俺､もうこんな思いはたくさん…
もう､俺の傍を離れないでよ…
写真､やめろなんて言わないから…
撮るなら俺の傍で撮って??
A:うん､分かった^^
もう､どこにも行かない…和の傍に居る｡
俺たちは無事､日本に帰国した｡
俺とAがその数ヵ月後結婚したのは
また､別の話…
Fin
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作者名：和.com | 作成日時：2012年3月10日 19時
