変わらない笑顔 続 [和也]１ ページ14
あの事件があって以来
Aは俺との約束を守ってくれた｡
でも…俺との約束なんかで
Aの才能を縛り付けているようで
俺の心も相当､苦しかった…
和也:海外で写真撮りたい??
A:え??
和也:我慢…させてるよね…
A:そんな事ないよ??
Aはそう笑って答えたけど
本当は我慢してるって何となく分かる｡
それだけ､俺はAを想ってたから…
俺は行き場のない心苦しさを潤ｸﾝに相談した｡
潤:なるほどな…
和也:俺…情けなくて…
潤:今のままで良いんじゃね??
和也:え??
潤:和はAが我慢してるって思うんだろ??
例え､そうであってもAが納得してんだし
和が思い悩むことないんじゃねぇかな??
和也:俺は…嫌なんだ…
今まで心の奥に閉まってた想いが
一気に溢れ出し止ることを知らない｡
和也:俺の我がままでAを縛って
Aの夢を奪ってることが…
潤:だった…別れちまえよ
和也:え??
潤ｸﾝの思いがけない言葉が
俺の思考をさらに混乱させていく｡
潤:別れてしまえば和との約束を
Aが守る必要なんてないだろ??
和だってAを縛らなくてすむ｡
和也:…それは…
潤:和にAを手放す覚悟ある??
和也:Aと…別れる…??
潤:だってそうだろ??
赤の他人との約束､誰が守るの??
和也:……………
俺は潤ｸﾝの言葉に何も言えなくなった｡
潤:和､いい加減気付いてやれよ…
Aの和に対する想いを!!
和也:Aの…想い??
潤:自分の夢諦めてでも捨てでも
和との約束を守り続けてんのは
それだけAが和を想ってるからだろ??
潤ｸﾝの目はしっかり俺を見ていた｡
潤:夢､諦めてでも和の傍に居るのは
あの日､和がどれだけ傷ついたか
あいつが理解してるからだろ??
だんだんと目に涙がたまる｡
潤:もう２度と和にあんな悲しい傷
負わせたくないって思ってるから
和の傍を離れないでいるんだろ??
Aの想い気付いてやれよ!!
潤ｸﾝの目にも涙が溜まっていた｡
俺は…なんて馬鹿な奴なんだ…
結局､自分のことしか考えてなかった｡
Aのこと分かったふりして
結局何も分かっちゃいなかったんだ｡
和也:潤ｸﾝ､ありがとう
おかげで目が覚めたよ…
潤:和が出した決断を俺は応援する｡
和也:俺､全力でAを守る｡
この手で絶対幸せにしてみせる｡
俺はAの元へ戻った｡
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作者名：和.com | 作成日時：2012年3月10日 19時
