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あれから、すぐに謙ちゃんが来て
車に乗せてくれた。
謙「...まだ痛い？」
『さっきよりはマシ』
普通に話せるようになったし。
でも、なんもしてないから
どうせすぐ発作起きるよね。
謙「海、楽しかった？」
『うん、楽しかったよ。...夏の思い出』
謙「夏休み、始まったばっかなのに〜？」
『どうせ入院生活じゃん』
謙「...1日だけ」
『え？』
謙「1日だけなら、外出許可出す。...親父も、夏は楽しんでほしいしって」
1日だけ。
...どっか、行くのかな。
奏多たち。
...誘われたら、頼もう。
誘われなかったら、いいや。
謙「そういえばさ、奏多くんは？」
『...奏多には、海に残ってもらった』
謙「...可哀想に、奏多くん」
『なんでよ』
謙「奏多くん、好きな奴いないのに海にいて楽しいかなー？...俺だったら、楽しくない」
何が言いたいの、このチビ。
謙「”Aもここにいたらいいのに”」
『え？』
謙「奏多くん、そう思ってるんじゃない？」
謙ちゃんがそう言った瞬間、
奏多からメールが来た。
”花火終わったら、すぐ行く！”
...花火、やるのかぁ。
私もやりたかったなぁ。
謙「なんだって？」
『花火、終わったら来るってさ』
謙「...愛されてるね、お前は」
『私、花火に負けたんじゃないの？』
謙「本当バカ。男心わかってない」
謙ちゃんの言葉の意味を
どうしても理解できなくて
悩んでたら頭を叩かれた。
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作者名：PYON | 作成日時：2015年8月29日 22時
