近キョリ恋愛～ Season Zero ～《Kanata.A》 (ページ43)

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美麗が持ってきてくれて、

薬を飲んでも

痛みは全然治らなかった。

奏「A、帰ろっか？」

『ダメっ...』

海行くって決まった時、

奏多すごく楽しみにしてたもん。

奏多は最後までいなきゃダメだよ。

奏「でも、病院行かなきゃ」

『...かなたは、のこって...』

奏「でも...」

『わたし、ひとりで...だいじょうぶ、だから』

美「A...」

美麗には水着買いに行った時に

話しておいた。

もし、海で発作が起きても

奏多には最後までいてほしい。って。

『ハルカと...光輝たちと、真帆たちにも...りりちゃんにも、よろしくって、伝えておいて？』

私はそう言うと、

鞄を持って更衣室に向かった。

『...けんちゃん』

シャワーを浴びて、

更衣室で着替え終わって

歩きながら謙ちゃんに電話すると

何のことかわかったのか、

「待ってるよ」と言われた。

謙「...入院、だからね」

『わかってるよっ』

謙「服は、どうする？」

『もう、痛いのっ...たすけて、けんちゃん...』

謙「いまどこ」

『...海』

謙「近くの海？」

『んっ...』

謙「待ってて」

謙ちゃんは勝手に電話を切って、

すぐにメールが来た。

”車で迎えに行く”

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