近キョリ恋愛～ Season Zero ～《Kanata.A》 (ページ38)

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みんなと別れて、

奏多との帰り道。

なんも話さないけど、

ずっと手は繋いだまま。

『あ、夏休みじゃん。あとちょっとで』

奏「だな」

『...今日、行けてよかった』

奏「あれから発作起きてないな」

『うん』

あの発作はなんだったんだろ。

まぁ、検査行ったら心音おかしかったらしいし

悪化はしてるみたいだけど、

やっぱり薬で落ち着いてるのかな。

奏「夏休み、どっか行きたいな」

『そうだね』

奏「A、疲れた？」

『え？』

奏「...早く帰ろっか。疲れて、心臓に負担かかって発作起きるのも嫌だろ」

奏多はそう言うと、

ゆっくりだけど急いでる感じで

家に向かった。

奏「よし、ソファで寛ぐか！」

『うんっ』

二人でソファに向かって、

ほっぺつまんだり、

ギューってしたり、

いろいろ二人でイチャついた。

『...負けたの、悔しい？』

奏「そりゃ悔しいけど、別に悔いはないよ」

『なら、問題ないね』

奏「おうっ」

奏多の笑顔を見たら、

ふいに抱きつきたくなって

奏多に勢いよく抱きついたら

奏多も抱きついてきてくれた。

奏「甘えん坊」

『奏多だって』

奏「俺はAに合わせてんの」

『うそだ』

奏「嘘じゃありませーん(笑)」

『...奏多？』

奏「ん？」

『嫌いの反対の反対の反対。×無限倍(笑)』

奏「...かわいいこと言うな(笑)」

奏多のほうをチラッと見ると、

耳まで真っ赤になっていた。

...照れ屋だね、奏多(笑)

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