Happy Everyday Forever

#49　今成亮太 ページ2

#49 今成亮太





今日も良い鳴尾浜日和。
ホントは甲子園に立ってたいけど、なかなか…って感じ。

今「Aちゃんが流行に乗ってる！珍しい！」
「ちゃいますよ。流行がようやく私に追いついたんですよ」

練習中にAちゃんを見つけて、試合前のちょっとした時間をおしゃべりに当てることにした。
今日のAちゃんの服は、最近よく見かけるダボっとした感じ。

今「てか、髪の毛、切ったね。めっちゃ短いじゃん」
「気付く順番、逆じゃないですか？」

腰ぐらいまであってポニーテールにしてた髪の毛が、バッサリと肩までの長さになってる。

今「確かに。服にばっかり気を取られてた」
「もー。ちゃんと全体見てくださいよ」

ほっぺを膨らませての怒ったフリ。
あぁ、ホント可愛いなぁ。
久々に見たから、顔が緩みまくって…もー大変。

今「で、誰の取材に来たの？」
「今日はお休みなんで、完全プライベートです」
今「マジで？」
「はい。たまにはゆっくり見ようと思いまして。社員証は便利だから持ってきましたけど」

首にぶら下げてる社員証をアピールして、ちょっと茶目っ気な表情をしてくれる。
だから、こんなに自然体なんだ。
そりゃあ、こんなに可愛くなるって！

今「じゃあ、試合終わったら、ご飯でもどう？」
「いいですね。ぜひ、お願いします」



◆◇◆



練習が終わって、ちゃんと身なりを整えてから、待ち合わせ場所に行った。
なのに、Aちゃんがいない。
もしかして、クラブハウスで入れ違った？

「今成さん！」
今「うわっ」

周りを見回してたら、Aちゃんが後ろからどーんと当たってきた。

今「もー、ビックリした！」

Aちゃんを見ようとして身体を反転させると、Aちゃんの方から手を繋いできた。


「今成さん。私とお付き合いしてください」


背伸びして、耳元でこっそりと囁かれる言葉は、大人っぽい。

「お返事を先延ばしにしすぎて…」

言葉も、この行動も、何もかもがたまらない。
バッグを捨てて、俺の両腕の中に閉じ込める。

「うっ…」

力が強くてごめん。
でも、これが今の俺の気持ち。

今「何で俺のセリフ取っちゃうワケ？」
「いや、だから先延ばしに…」

Aちゃんの唇に指を添えて、言うのを止めさせる。

今「ここからが俺のいいトコだから、ちゃんと聞いてて」

俺も抱き締めるのをやめて、一呼吸置いてから、Aちゃんを見た。


今「…結婚を前提に、俺とお付き合いしてください」


「…はい、喜んで」

#32　新井良太→←決めました、あの人です。

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