Happy Everyday 7th.

邪魔しすぎby上本 ページ7

ある意味、充実した壮行会が終わった。
剛さんのインナー事件にしろ、Aちゃんのことにしろ…。
気になったことがいっぱいあったのに、いろんなことが起こりすぎて、結局いっこもハッキリしとらん。
ようあそこまで、ぐっちゃぐっちゃになったけぇだのぉ。
鼻血は出るわ、頭は叩かれるわ…。
散々やったが、まぁ、Aちゃんの隣じゃったけぇ――思わぬものも見たけぇ――、帳消しにしといた。
ほいで、今朝。
鏡を見たら、そりゃもうひどい顔じゃった。
結構な睡眠もとったはずやのに、何じゃ…。
今日も練習あるし、何とかしたいわー。



◆◇◆



んで、守備練習の時。

大「二日酔いか？動きが鈍い」

ボールを眼で追うとったら、大和が後ろからこそっと言うてきた。
サングラスも掛けて、口調もいつも通りにして、分からんようにしとんのに…。
身体が重いんはわしでも分かっとるが、一目見て悟るたぁ、さすが守備職人。

大「それとも、鼻血からの貧血？」
上「…違う。疲れとるだけ」

昨日の帰りからずっと、そこをツッコんでくる。

大「あ、そう」

興味なさそうな返事やのに、くすっと笑い声が聞こえてきた。
原因が原因だけに、完全にからかっとる。
ええ加減にやめてくれって。
…あーあ、太陽がまぶしいわ。



◆◇◆



練習が終わってから、Aちゃんがおるのに気付いた。
今にでも飛び出したいが、ここは我慢。
ネットもボールも全部おさめてから、昨日の挨拶もかねて、帰り際にAちゃんの所に寄った。
首から下げとるカメラの画面を真剣に見とって、わしにゃあ全然気付かん。

上「Aちゃん」
「うわぁ！」

驚かしたいワケじゃなかったが、Aちゃんの身体が飛んだ。

「お、お疲れさまです！…あ、鼻血大丈夫ですか？」
上「Aちゃんまでそれ言う？」

驚いとったのもつかの間、Aちゃんはニタニタして、わざと腰を下げて見上げてくる。
切り替え、早すぎ。

上「さっきから大和も…」
大「俺が何？鼻血の話？」

わしがおるのを分かっとって、大和も参加してきた。
人がおるたぁいえ、せっかく2人きりの時間を…！
笑うとる顔が、『邪魔しに来た！』って物語っとる。

「あれだけ出たから、貧血気味なんかなーって」
大「動き鈍かったから、多分そう。太陽もまぶしいんだって。キャップで眼元、影できてんのにな」
「あぁ！だから、サングラスですか！周りの光もシャットダウンですね！」

しかも、2人だけで盛り上がっとるし…。
何じゃ、もう！

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