場所を忘れて…by上本 ページ13
じゃあ、何で下がったんじゃ？
見る剣幕がヤバかったんか？
「上本さんは関係ないですよ！私が勝手に思い込んでただけですから！」
今度はAちゃんの顔が、ぐいっと出てきた。
それに合わせて、わしの顔をぐいっと引く。
上「思い込みって？」
「あ…！」
言うた途端に、Aちゃんは真っ赤になって、手を引っこ抜いた。
その手を握ろうか握らんかか、悩んどったわじゃけぇ、右手が変に宙に浮いてしもうたが、何もないように置き去りにされた荷物の取っ手を持っとく。
「今の言葉はナシ…には、できないですよねぇー？」
上「そうだな」
下がった理由すら聞いとらんのに、『思い込み』って何じゃ？
モヤモヤが溜まるばっかりで、いっこも解決しとらん。
「い、いやぁ、ね！」
ちいとパニックになっとるAちゃんは立ち上がって、また壁に身体を預けた。
あーあ、また、服が汚れるわ。
「閉所恐怖症じゃないんですよ？まぁ…」
わしも立って、まずは廊下のど真ん中にある荷物を邪魔にならんトコに置く。
ほいで、Aちゃんを壁から引き剥がした。
「いろんなことがありましたから…てっきり…」
上「え？」
そのあと、何か喋ったが、もごもごしてよー聞こえんかった。
聞き返しても、答えは返ってこん。
上「聞こえん。もっぺん言って」
伏せられた顔を覗き込むと、まだ真っ赤なまま。
「…かと」
最後だけ聞こえても仕方ないって。
視線を合わせようとするのがいけん思うて、耳だけを寄せた。
上「え？何？」
「だから、てっきり…キ、キス…されるかと…」
上「！？」
今度は、わしがうろたえる番。
そんなん、いっこも考えとらんかったけぇ、顔がぶち暑うなる。
Aちゃん現象が、始まってしもうた。
「ホ、ホンマにごめんなさい！今の妄想は、忘れてください！」
わしにゃあ、恥ずかしゅうて、そがいな大胆なこたぁできん。
でも、Aちゃんの妄想に引き寄せられて、後悔もしとるのも事実。
こがいなだあれもおらん廊下なら、マスカラを理由にして、一瞬ぐらいならできたじゃろうに…。
上「そんなの忘れられんわ」
ただポリシーとしちゃ、ちゃんとした関係が出来てから、進めていきたい。
上「わしだって、いつかは、したいと思とるから」
「えぇー？！う、上本さん？！」
それをハッキリさせるためにも、今言うといた方がええ。
Aちゃんを正面に見て、変に空いとった間も詰めて、わしよりも小さな手を握る。
上「わしはAちゃんが好きじゃ」
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雛＠虎ガール(プロフ) - Quintetさん» 照れないで下さい！(笑)はい！期待してます！(笑) (2017年10月10日 19時) (
レス) id: 940eb26264 (このIDを非表示/違反報告)
Quintet(プロフ) - 雛＠虎ガールさん» いやぁもう照れちゃいます！褒められることがないんで(笑)。ありがとうございます！普段は言わないですけど、「こうご期待！」って言っておきます！ (2017年10月10日 19時) (レス) id: 06dcf55897 (このIDを非表示/違反報告)
雛＠虎ガール(プロフ) - いつ見てもドキドキの展開…！もうホントQuintetさん最高です！能見さんとのこれからが楽しみです…！ (2017年10月9日 22時) (レス) id: 940eb26264 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - またの更新楽しみにしてます (2017年8月27日 14時) (レス) id: 2628ec6391 (このIDを非表示/違反報告)
Quintet(プロフ) - ありがとうございます！心強いです！個人的な願望を入れながら頑張ります！(笑) (2017年8月25日 20時) (レス) id: 2b0fd95d19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Quintet | 作成日時：2017年8月19日 21時
