大事なものと発狂byALL ページ2
開幕戦が始まる少し前のこと。
能見宅で、複雑な関係を繰り広げる7人+Aの壮行会が開催された。
本日のテーマは、The肉祭り。
各々が持ってきた肉と酒と、少しの野菜を食らう、久々の会合である。
キッチンでその準備をしていたAに、能見が疑問を投げかけた。
能「思っててんけど、この缶、なんなん?」
しゃがみ込んでる能見が指すのは、食器棚下の開きの奥を占拠してるアルミ缶。
「…よ、よく見つけましたね」
能「先週からずっと気になってた」
『もらったその日からやん…。絶対見つからんと思ったのに…』
Aの手が止まり、食器準備担当の上本と鳥谷が首を傾げた。
鳥「どうした?」
上「篤史さん、何やってるんですか?」
能「この缶が気になってんねん」
能見が奥から出してきた缶は、そこそこな大きさがある。
鳥「デカいな…」
上「結構な音してますね」
能「量もそこそこあるわ。開けてもいい?」
Aの答えを聞く間もなく、能見はアルミ缶のふたを豪快に開けた。
――ぶわしゃぁああ!――
そして、黄色い細長いものが盛大に飛び散った。
「私のいもけんぴちゃーんっ!!」
それは、バラバラと音を立てて、床に落ちていく。
「うわぁぁああ!最後の…最後のぉぉおお!」
準備そっちのけで、Aはいもけんぴを拾い始める。
しかも、涙をボロボロ流しながら…。
鳥谷・上本はともかく、一緒に暮らしてる能見ですら初めて見たキャラの登場に、衝撃を隠せない。
その叫び声は部屋中に広がり、今成・新井・大和もキッチンに集合した。
「うぅぅ…3秒ルールもできひぃん…うわぁああ!」
大「な、なに…これ…」
「「…」」
彼らも同じく、衝撃の大きさに言葉を紡げないでいる。
そこに用を足していた西岡が、一足遅れてやってきた。
西「あーあ、盛大に…。篤史さんがやらかしたん?」
「私の、いもけんぴちゃぁぁん…」
上「そうです」
西「ふーん。てか、もう200ぐらいしかないやん」
「「「「え?」」」」
発せられた数字は、Aの好物を知らない沖縄キャンプ組の視線を集める。
西「あれ、俺があげたんですけど、あの大きさで1キロ入ってるんです。Aちゃん、そんだけ食ったんやったらもう十分やろ」
「よくない!最後の、いっちゃん美味しいところを残してたのに…!」
涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げたAは、拳を握って、ギャラリーに訴えた。
「言っときますけどね――
私の身体の70%は、いもけんぴでできてるんです!」
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雛@虎ガール(プロフ) - Quintetさん» 照れないで下さい!(笑)はい!期待してます!(笑) (2017年10月10日 19時) (レス) id: 940eb26264 (このIDを非表示/違反報告)
Quintet(プロフ) - 雛@虎ガールさん» いやぁもう照れちゃいます!褒められることがないんで(笑)。ありがとうございます!普段は言わないですけど、「こうご期待!」って言っておきます! (2017年10月10日 19時) (レス) id: 06dcf55897 (このIDを非表示/違反報告)
雛@虎ガール(プロフ) - いつ見てもドキドキの展開…!もうホントQuintetさん最高です!能見さんとのこれからが楽しみです…! (2017年10月9日 22時) (レス) id: 940eb26264 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - またの更新楽しみにしてます (2017年8月27日 14時) (レス) id: 2628ec6391 (このIDを非表示/違反報告)
Quintet(プロフ) - ありがとうございます!心強いです!個人的な願望を入れながら頑張ります!(笑) (2017年8月25日 20時) (レス) id: 2b0fd95d19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Quintet | 作成日時:2017年8月19日 21時